おはようございます!朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です。

朝渋では3回目となる、「経営者と語る朝渋」。
今回は、株式会社ツクルバの代表取締役CCOを務める、中村真広さんにお越しいただきました。

株式会社ツクルバでは現在、シェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」、スタートアップのためのオフィスサービス「HEYSHA(ヘイシャ)」、リノベーション住宅特化の流通プラットフォーム事業「cowcamo(カウカモ)」、実空間・情報空間のデザインを横断する実験と共創のコミュニティ「tsukuruba studios」などの事業を中心に「建築」「不動産」「テクノロジー」の融合による新しい場の発明に取り組んでいます。

そして、株式会社HALとの合弁会社として株式会社KOUを設立し、今年9月にはコミュニティコイン KOU のiOS版をリリースしました。これまでの経済システムでは評価しきれない価値の循環を目指し、その価値に光を当てる「感謝経済」の成立を目指しています。

今回は、そんなツクルバで手掛けていることを具体的にお聞きし、中村さんが考える「コミュニティ経営」と「感謝経済」についてお話をお伺いしました。

中村真広さん

株式会社ツクルバ 代表取締役CCO

1984年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。建築家 塚本由晴氏のもとで学ぶ。不動産デベロッパーの株式会社コスモスイニシアに新卒入社、その後ミュージアムデザイン事務所にて、デジタルデバイスを活用したミュージアム展示や企画展などの空間プロデュースを経験。環境系NPOを経て、2011年8月に株式会社ツクルバを共同創業。代表取締役CCOに就任。デザイン・ビジネス・テクノロジーを掛け合わせた場のデザインを行っている。昭和女子大学非常勤講師。

コミュニティ経営のはじまり「co-ba」

中村さん おはようございます!ツクルバの中村と申します。本日のテーマ「コミュニティ経営」です。ツクルバやKOUのお話ができればと思っています。

ツクルバは2011年に立ち上げました。「場をつくる」で”ツクルバ”です。うちはテック系の企業でもあり、建築・不動産系でもあるハイブリッドな会社となっています。メンバーは100名ほど。本日は、ツクルバが具体的に何をやっているのか?を切り口にお話させていただきます。

大きく分けると、2つの事業とデザインスタジオという形でやっております。それに新しく始まったKOU。この4つになりますね。

・事業① 働く軸(シェアードワークプレイス「co-ba」、スタートアップ向けスモールオフィス事業「HEYSHA」)
・事業② 住む軸(リノベーションマンション特化の流通プラットフォーム「cowcamo」)
・デザインのことはすべて「tsukuruba studios」
・コミュニティコインのアプリ「KOU」

「co-ba」というシェアードワークプレイスシェアオフィス、コワーキングスペースと呼ばれるような業態なんですけども、僕らは単純な場所貸しの不動産業をやりたいわけではありません。

その先にある「働くを通じたコミュニティ」をつくっていきたいなと、創業当初から考えていました。これは、コミュニティをつくることをビジネスと表裏一体なものとして位置づけていこうという考え方でして、これが今のツクルバにつながる「コミュニティ経営」の原点だと思っています

今では一般的になっているんですけども、当時はコワーキングを誰も理解してくれませんでした。旧来型のシェアオフィスもネガティブなイメージが先行していて、とても風当たりが強かったですね。コワーキングというのは、一緒の場所で働いて、コミュニティとして相互で高め合っていこうというワークスタイルということなんです。

co-baのはじまりは渋谷で、2011年にスタートして、ありがたいことに半年足らずで100人ぐらいの方に会員登録していただきました。会員同士のコミュニケーションを誘発したいと考えて、会員さん1人1人に「本棚」をお渡ししたんです。人の経験や知識って本棚で伝えられると思うんですよ。なので、その本棚で自分を伝えられるようにプロデュースしてもらったんですね。するとその本棚を見ると、その人がどんな人かわかるようになります。

(co-baに設置されている本棚 引用:http://roomhk-hiro1003ic.blogspot.com/2013/06/co-ba_6022.html

僕らは場所を使ってほしいんですけど、それ以上にコミュニティをつくることを大事にしてきました。なので、起業家の交流イベントなど様々なイベントを開催しています。また、会員さんと「お客さん」というスタンスで向き合うのではなく、一緒にこの空間を盛り上げられる「コミュニティメンバー」のスタンスになることに重きを置いています。運営者側とユーザー側の隔てをつくらないようにしているんです。

そして、この関係性を作るのが、「コミュニティマネージャー」です。コミュニティマネージャーというと、今でいうオンラインコミュニティとかWebサービスとかで聞くようになりましたけど、当時は全然いませんでした。

co-baは全国に25箇所ありまして、ほとんどが各地のオーナーさんによる自律的な経営です。それぞれのオーナーさんが、立ち上げから運営までしてくれています。この作り方もコミュニティ的なやり方で、僕らがすべてをデザインするというのは一切しません。各地のオーナーさんに、現地の空間デザイナーや建築家を巻き込んでもらいます。すると、そこで新たな繋がりができるので、それもひとつの価値になると思うんです。

将来的には、全国各地をco-baで繋げていきたいと思っています。47都道府県にco-baをつくり、旅するように働けるスタイルを作りたい。また、各地方の産業特性を掛け算することで、何か新しいことが生まれるんじゃないかなと思っています。それが実現できるプラットフォームが、co-baでありたいなと思いますね。

感謝経済の実現へ「KOU」

中村さん 今年の2月に合併会社をつくり、2週間ほど前に「KOU」という、コミュニティコインのアプリをリリースしました。

なぜこのサービスを作ったかというと、僕らはco-ba、HEYSHA、cowcamoの経験を通じて、様々なコミュニティに関わってきました。その時に感じたのは、コミュニティの盛り上がりを可視化することが必要ではないか?ということ。

コミュニティが生まれて、育むことにおいて、テクノロジーでどうサポートできるのかということをずっと考えてきました。その突破口として「お金」に着目しました。お金というのは本来、万人に共通したコミュニケーションのツールだったと考え、コミュニティコインのサービスを考え始めたんです。

皆さんも色んなコミュニティに属しながら、色々な顔を持ちながら生きていると思うんですよね。その時に仲間内で、どうやって感謝の気持ちを贈りあっていますか?身近な人でフォーマルな場合だと、ご祝儀のような現金で伝えたりしますよね。結婚式とか引っ越し祝いとか。また、オンラインコミュニティだと、SNSのいいね!で伝えたりしますよね。

じゃあこの間って何があるのか?と思った時にそこに適したツールがないので、それをKOUが担えればいいなと思っています。ちょっとお金だと大げさすぎる、でもSNSでは軽すぎる、、みたいなことってあると思うので、それをコミュニティコインという形で実現できないか?というのがKOUのチャレンジです。

KOUでは、アプリ上に自分たちでコミュニティをつくって、そこにメンバーを招待します。すると、そのメンバー同士でコインを贈り合えるようになります。コインはそのコミュニティ独自のものをつくれて、例えば朝渋だと「1渋」というコインが作れたりします。そして、贈り合った履歴が公開台帳として記録されていきます。使い方はそれだけ。

それだけなので、じゃあどうやって活用するの?となりますよね。その使い方もユーザーと一緒に考えていきます。コミュニティごとに定義する必要があるんです。まず、一番最初ってコインの相場が安定しないんですよ。ある人は感謝の気持ちを5000コインで贈るかもしれないし、ある人は30コインで贈るかもしれない。

でも、出口を誰かが設定し始めると相場が決まるんだと思っています。例えば、うちのオフィスにはキッチンがありますが、200コインくらいを渡してくれればビール飲んでいいよ!とすれば、なんとなく相場観の感覚がつきますよね。そういう相場も各コミュニティで勝手に決めていいんです。なので、かなりユーザーに委ねられているサービスになります。

誰から誰へ何ポイント送られたかが、タイムライン上に並べられているので、コミュニティの感謝のやりとりが全部見れるようになっています。誰がどんな感謝を受け取っているのか?どんな感謝をしているのか?がわかってくるので、その人の人となりがわかってくるんです。

会社なら関係性が近いのでいいですが、もう少し遠いコミュニティだと、誰がどんな特技を持っているのか?ってとてもわかりづらいなと思うんです。けど、それをこの台帳でわかるようにするというツールが「KOU」です。

あとは、月間ランキングがあって、その月その月でどのようなやり取りが行われたのか?みんなから称賛されたのか?どのような感謝の気持ちを贈り合っているのか?を可視化しています。

KOUの中で大事なのは、今いくら持っているのか?という”ストック”の部分ではなくて、”フローの部分”なんです。いっぱい感謝していっぱい感謝されたひとがランキング上位に入ります。お金は天下のまわりものみたいな話がありますが、まさにそれを体現しているサービスです。

僕がKOUを通じてやりたいなと考えているのが「感謝経済」の実現です。自分の「感謝したい」っていう気持ちは、無尽蔵で作れるじゃないですか。1日過ごしたあと、今日何回感謝したかな?と考えた時に、ある人は3回かもしれないしある人は15回かもしれない。その感謝の気持ちって誰かからもらうものではなく、自分の心から生み出しているものなので、心がけ次第では何回も生まれるものなんですよ。

それってすごいことだなと思っていて、原価がかからないしエネルギーも使わない。その感謝をベースとした経済圏ってあってもいいんじゃないか?と考えています。

そう考えた結果何をしたかというと「お金のリハビリ」です。法定通貨に慣れてしまうと、ストック型の思考になります。いっぱいお金を持ちたいと思うし、持ったら保持したいと思うし、それを自慢したくなったりしますよね。そうじゃなくて、内側から出てくる感謝の気持ちにお金を乗せていくことで、世の中がちょっとずつ変わっていくんじゃないかなと思っています。

感謝の上に法定通貨や仮想通貨が乗ってくると、世界の経済モデルが変わるんじゃないかなと考えていて、そんな壮大な実験の第一歩が「KOU」なのかなと思っています。

在りたい姿が解放されていると、すごく楽しい人生になる

ーでは、ここからトークセッションに移りたいと思います。早速聞きたいのですが、中村さんは自分のキャラ作りで意識していることってありますか?

中村さん キャラ作りはあまりしていないですね。自然体です。ツクルバの名刺は裏側に任意の肩書きを書くことができます。自分のありたい姿を書いてもらっています。

名刺って一般的によくDoのことを書かれているんですが、でもそれって本当のその人を表しているのか?と疑問を持ちました。自分の在りたい姿というBeのところを書くのがいいんじゃないかと思っています。Beの部分が解放されていると、すごい楽しい人生になると思います。

ーなにか面白い事例ってありますか?

中村さん そうですね。例えば、「軍師になりたい」とか。よくわからないものだと「場づくりマスター」とか。笑 その心は?と問いたい肩書きがたくさんありますね。でも、それはそれで良くて、うちには「Beの肩書きワークショップ」っていうのがあります。仕事は仕事だけど、仕事につながるスタンスを書いてみてくださいといイベントです。僕自身も、それがあることで解放されてきたなと思うと、とても楽になったんです。

ー続いて、KOUについて聞いていきたいのですが、どういう使い方をすればいいですか?とレクチャーする際は、どう説明しますか?

中村さん それは僕も模索していますが、ひとつあるとすれば、相場が作られたらひとつフェーズが変わるなと思っています。相場を作るためには、誰かが原価をつかってはじめのGIVEをすることが必要だと思います。

ちょうど今日、ツクルバメンバーと飲む用にビールを大量に買ったので「1本僕に200コイン贈ってくれたら飲んでいいよ」としようと思っています。僕は原価を負担していますが、メンバーはKOUのコインで飲めてしまう。

例えばそれで20本も飲むメンバーが現れたとすると、その人は「何か貢献しないといけない!」という心理になると思うんです。いつも飲みすぎてるから、みんなのために地酒を買ってきました!という風に、GIVEをし始めるんじゃないかと。人ってGIVEをされすぎると、GIVEしたくなるんですよ。その連鎖でぐるぐる回っていくと、みんなハッピーになります。なので、最初のドミノをどう倒すかが大切になりますね。

ーありがとうございます。では、ここでQ&Aの時間に移ろうと思います。あ、それではそこの方どうぞ。

参加者 中村さんが考える「コミュニティマネージャーに必要な条件」ってなんだと思いますか?

中村さん これ難しい質問ですね。コミュニティマネージャーって、まだ科学されていない分野だと思っています。co-baで「コミュニティマネージャー養成クラス」というのをやっていますが、その中でその条件を模索しています。

僕が今思う、コミュニティマネージャーに必要な条件は「スナックのママ感があるひと」だと思っています。いい意味で土足でひとの心に入ったり、「あなたもこっちで飲んだらいいじゃない」みたいにひとを繋げたりとか、そういうのがうまいひとがいいのかなと思いますね。

出会うはずのなかった2人を繋げる接点を、どんどん作れる人が向いているのかなと。おもしろい店長がいる飲食店って、その人に魅力を感じて人が集まったり、そのひとによって場の振る舞いが定義づけられたりするじゃないですか?そのオーラを出せるひとが強いなと思います。

なおかつその人のオンステージを観に行っているわけじゃないから、そのひとは主役にならず背景の一部になる。そのバランスがとても難しいなと思いますね。

ー以上、中村さんとの経営者と語る朝渋をお送りしました。中村さんが事業に込める想いに、とても強い共感を覚えました。今を生きる上で、とても重要な役割をはたしている「人とのつながり」。これを”場所”や”テクノロジー”で実現している中村さん、そして「KOU」は今後も要注目です!

中村さん朝早くからありがとうございました!

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Text by 長田涼(@SsfRn

Photo by 矢野拓実(https://takumiyano.com

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早起きすれば“自分の軸”で生きられる。5時こーじが語る「朝活の魅力」が想像以上だった(新R25)
「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)

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