2018年11月22日の「いい夫婦の日」。夫婦が互いに感謝の気持ちを表すこの日に、夫婦のはじまりとされる結婚式に変革をおこす運動が幕を開けました。

「#結婚式に自由を」

多様な価値観が尊重される現在、画一的でやや凝り固まった日本の結婚式を、もっと自由で柔らかいものへと変えていきたいというこの運動。

SNS上では多くの賛同の声と、多様な意見が生まれ、結婚式という人生における一大イベントを新しいスタイルへとアップデートしていきそうな熱を帯びています。

この運動の発起人が、株式会社CRAZY

2012年に創業。ウエディング業界の当たり前をことごとく覆し、売上は創業からの6年間で平均190%成長、社員数は100名に迫る拡大。「ウェディング業界の革命児」とも呼ばれています。

社名のごとく、常識に囚われず、新しい価値観を打ち立てていくことに挑戦するCRAZYですが、それは会社のあり方においても同様です。

そんな彼らが、創業当時から掲げている言葉が『健康経営』

今年の10月には、週5日以上、睡眠を6時間以上とった社員に報酬を与える「睡眠報酬制度」の実施を発表。また、創業当初から、自然食ランチを全社員で食べることを続けています。

「社員が心身ともに健康で、良好な関係を築けていれば、会社で起こるほぼ全ての問題は防げます。社員の健康に投資することは、経営者としても最もコスパが良いんです。

CRAZY代表・森山和彦さんは、こう言います。朝渋では、健康経営の重要性と、これからの会社のあり方について学びを得るために森山さんをゲストにお呼びし、『経営者と語る朝渋』を開催しました。今回は、そのダイジェストをお届けします。

森山和彦(もりやま・かずひこ)さん。株式会社CRAZY 代表取締役社長。人材コンサルティング会社での6年半の勤務を経て、2012年7月に株式会社CRAZYを創業。同社をビジネスグロースさせながら、全社員で1ヶ月休んで世界一周など、独自の組織運営を実践。2018年「働きがいのある会社」及び「働きがいのある会社 女性ランキング」初エントリーにてダブル受賞するなど、ユニークな経営手法が注目される。

お金を稼ぐことと、健康であること。どちらが大切か?

ー よろしくお願いします。今日は『健康経営』という考え方について話を伺いたいのですが、CRAZYは経営の優先順位を以下の順番で掲げていますよね。

  1. 健康を第一に考える
  2. 人間関係を大切にする
  3. 世界を変えるビジネスをする
  4. 誠実な経済活動をする

ほとんどの企業はビジネスインパクトを経営の最優先に考えることが多い中で、CRAZYは、健康第一となっています。この理由から教えていただけますか?

森山さん:わかりました。でも、健康経営の話をする前に、人類の歴史について話をさせてください。

2018年の現在、僕らは資本主義の社会の中で生きていますが、資本主義っていつ生まれたのか、ご存知ですか?

答えは、たったの400年前なんです。そして、社会主義という考えが、130年前に生まれた時、社会主義は世界を救う考えだと賞賛を受けていました。

僕は地球や人類の歴史を考えるのが好きなんですが、46億年という地球の長い歴史からすると、僕らが考えていることなんて非常にちっぽけです。

今、僕らが考えている「会社とはこういうものだ」という考えなんて、後世の人たちから見たら、全く正しくないのかもしれません。

その上で、皆さんにすごく純粋な質問です。お金を稼ぐことと、自分が健康であること。もしどちらかに優先順位をつけるとしたら、どちらの順位が高いですか?

僕はお金より健康だと思ったんですね。全然、不思議なことではないと思うんです。おそらく多くの方が、健康のほうが大事だと答えると思います。

社員の健康を第一に考える。ここにはお金や手間など、結構なコストをかけています。それでいて、世界を変えるビジネスもする。それを大真面目にやっているのがCRAZYです。

肉体的・精神的・社会的。3つの健康を考える。

森山さん:ここから具体的に健康経営として、どんなことをしているのかをお話ししていきます。

森山さん:WWHO(世界保健機関)によると、健康には、身体的健康精神的健康社会的健康という3つの定義があります。

わかりやすいのは体の健康である身体的健康ですよね。精神的健康というのは自分自身のメンタル面での健康です。

そして、社会的健康というのはコミュニティにおける自分の立ち位置のことです。例えば、学校や職場など、特定のコミュニティの中で、一人だけいじめられていたとする。それは社会的健康が非常に悪いとみなします。

そういう状況でも、自分のことが好きだと思えているのであれば、精神的健康は大丈夫だと言えますが、大抵の場合は精神的健康が病んでいきます。どういう人間関係を育んでいるかは、身体的・精神的な健康に影響を与えやすいということです。

この3つの健康をしっかりと健全に保てるように、CRAZYは創業当初から、様々な制度を始めています。

ー なるほど。自然食ランチを全員で食べるのは、身体的健康だけでなく、社会的健康のことも考えて、あえて全員で食べているんですね。

森山さん:そうです。食事ってものを食べることではありません。一人で食べるだけであれば、それは“栄養補給”です。

食事というのは、食の空間を共有することです。食事というのは、みんなで楽しく食卓を囲んで、人間関係を育むことなんですよ。これは、社会的健康の増進にめちゃくちゃ効果的です。

ランチを社員全員で同じ時間に、同じ空間でとると、約1時間弱業務は止まります。でも、これはコスパが最高に良いです。社内で起こる問題のほとんどは人間関係と言われています。僕らくらいの規模だと、その問題がほぼなくなりますからね。

遊びと仕事の境界線が曖昧な人をどう守るか。

ー 健康経営を推進する中で、今年、『睡眠報酬制度』という新しい取り組みを発表されましたよね。その狙いは何なんでしょうか?

森山さん:昨年から、働く時間をしっかりと管理しよう。短い時間で成果がでるようにしようという流れが強くなりましたよね。

その中で、「働きたいけど、働けない」と嘆いている友人が結構いるんです。パソコンも持ち帰れないし、時間も区切られるし、もう大変だと。「働きたい人の権利が守られていないのでは?」と、彼らは言うんですね。ここからインスピレーションを得ました。

森山さん:そもそも労働管理というのは、いつから始まったのかを調べました。そして、1913年にフォード社が全自動のベルトコンベアを導入したことが発端だとわかったんです。

人類は火を起こしてから、ずっと道具を使いながら発展してきました。しかし、ベルトコンベアが生まれて、人類史上初めて、道具の中に人が組み込まれました。道具に支配されるんですよ。人間が機械のペースを合わせないといけなくなりました。これによりフォード社は、ものすごく多くの労働の問題を抱えます。ここに出てきたのが、フレデリック・テーラーさんです。マネジメントの父と呼ばれている人ですね。

つまり、工場のような環境で働く人にとっては、労働管理はすごく大切です。働かせ過ぎを防ぐことができる。

でも一方で、裁量労働制で働いている人たちにとってはどうですか?僕もそうですが、企画をしている人は、遊びと仕事の境界線が曖昧ですよね。休みの日でも企画に活かせそうなネタがあったらメモをとるし、遊んでる時に仕事のアイデアが閃いたりしますよね。

残業の概念がなくて、常に働いているような人達を無理くり管理することなく、その上で、彼らの健康もきちんと守れる制度が作れないか?

そう考えた時に思いついたのが、労働の時間ではなく、プライベートの時間を管理するというアイデアでした。そこで辿りついたのが、睡眠です。

自由な働き方を続けるためにも、健康だけは守ろう。

森山さん:みなさんは、この1ヶ月の平均睡眠時間がわかりますか?

僕の今月の平均時間は6時間18秒。この1ヶ月は忙しくてあまり寝られませんでした。でも会社で導入しているアプリでデータを測っているから正確に平均睡眠時間がわかります。

僕らがやっている睡眠報酬制度というのは、1週間の中で、6時間以上の睡眠を5日間確保すると、会社のカフェで使用できるポイントを渡します。睡眠時間のデータはアプリで計測します。

この制度を始める前に、社員アンケートで「あなたは睡眠や休息の取り方が原因でベストパフォーマンスが出ない日がありますか?」と聞くと、7割くらいの社員がYESと答えていたんですよ。でも、この制度を始めた後は3割程度に減ったんです。

経営者としては、この制度のコスパは最高ですよ

だいたい1人の社員に年間で配布するポイントを金額換算すると約3万円程度。CRAZYは100人くらいの規模なので、年間たったの300万円の投資で、社員の健康を維持することができる。激安ですよ!

睡眠をしっかりととることで、個人のパフォーマンスが向上することも、科学的にみても明らかです。また、アプリのデータで睡眠時間が少ない人に対しては、産業医からもアドアイスをすることだってできる。すごく良い制度だと思います。

森山さん:この睡眠報酬制度を発表した時に、制度の中身をあまり知らない人から「プライベートの時間まで会社が管理するなんて…」という声をいただいたのですが、それは勘違いです。これは任意なんです。報酬を与えているだけなんです。

僕は自由な働き方とか、多様な働き方といった考えはすごく良いと思います。でも、一方で、自由故に働きすぎちゃって無茶をしてしまう人もいると思うんです。

なので、「自由に働き続けるためにも、睡眠は充分にとろうよ」という自制のメッセージを込めて睡眠に報酬をつけてみました。

会社が稼いだお金をどう分配するかというのは本当に大切で、僕らは社員が心身ともに健康に働くために、こういう分配の仕方をしようと思ったんですね。

今回は、睡眠に報酬をつけてみましたが、こういう風にインセンティブを様々なものにつける取り組みが社会でもっと広がっていったら良いなぁと考えています。

もっと素直に人と人とが祝い合える社会にしたい。

ー 今日は、ありがとうございました。なぜ、CRAZYが健康経営を創業当時から掲げている意味がとてもよくわかりました。最後に、これからのCRAZYの挑戦についてお聞かせください。

森山さん:僕らは今、「#結婚式に自由を」という活動をやっていますが、実は今、結婚をする半分近くの夫婦が結婚式を挙げていません。でも、一方で挙げておけばよかったと後悔している夫婦も沢山います。

純粋に考えたい。お祝いをしましょう。良いことですよね、お祝いって。

統計では年間で1,500万人から2,000万人の方々が結婚式にゲストとして参加しています。結婚式って、すごいイベントなんです。でも、結婚式に行って、つまらなかったなぁとか、行きたいけど三万円かぁ…とか、実際にツイッターでみんなが言うように色々あるじゃないですか。

この結婚式が変わることって、実はすごく大きなことじゃないですか?人と人との繋がりにイノベーションが起こる可能性がありませんか?

僕らは、もっと素直に人と人とが祝い合える社会にしたいと思っているんです。

そして、この“祝う”ということは、AIに置き換えるのは難しくて、人の力が必要になる領域だと思うんです。

僕らはそう思って、この「#結婚式に自由を」という活動を続けていきます。

これから色々と見かけるかもしれませんけど、是非、応援して欲しいと心から思います。今日はありがとうございました!

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以上、CRAZY代表の森山和彦さんをゲストに迎えた「経営者と語る朝渋」のレポートとなります。

“ 今、僕らが考えている「会社とはこういうものだ」という考えなんて、全く正しくないのかもしれない。 “

冒頭で森山さんがおっしゃっていた言葉ですが、会社のあり方しろ、結婚式の形式にしろ、僕らが常識として考えていることなんて、数百年後の後世の人から見たら可笑しなものなのかもしれません。

「本質的で、美しく、ユニークに」

これは、CRAZYが会社の価値観として掲げている言葉ですが、常識に囚われずに物事の本質を自分の頭で考えていくことが大切だと森山さんの話を聞いて思いました。

健康経営を掲げるCRAZYが、「#結婚式に自由を」という旗印のもと、どのように人がより素直に祝い合える社会を創っていくのかが、とても楽しみです。

最後に、CRAZYが行なっている様々な取り組みや、経営に対する考え方は、『CRAZY MAGAZINE』に詳しく掲載されています。よかったらご覧ください!

森山さん、朝早くから、ありがとうございました!

Text by 井手桂司 / Photo by 矢野拓実

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★参考記事:
「早起きすれば“自分の軸”で生きられる。5時こーじが語る「朝活の魅力」が想像以上だった」(新R25)
「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)