渋谷・道玄坂で毎週開催している会員制朝活コミュニティ「朝渋」。

12月7日(金)は、『「好きなことだけやって生きていく」という提案』の作者であり、TBSテレビで『中居正広の金曜日のスマたちへ』を立ち上げるなど数多くのバラエティ番組の制作を担当され、TBSテレビを退社された現在も、多くの新しいメディアビジネスをプロデュースし続けている、バラエティプロデューサーの角田陽一郎さんをゲストにお招きして、『著者と語る朝読書会』を開催しました。

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)さん
バラエティプロデューサー
1970年千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」など、主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社goomoを設立(取締役)。
2016年12月31日付でTBS退社。
2017年1月より「オトナに!」(TOKYO MX)、「イク天 イク天〜イクぜ、バンド天国」(BS-TBS)などプロデュース。
Twitter: @kakuichi41

好きなことだけやって生きていくために


今日は、本のテーマとなっている、「好きなことだけやって生きていく」ために大切なことについてお話ししたいと思います。

自分にとって良いことを仕事にするためには、仕事に対する考え方を変えることが重要です。
2つの例をもとに、そのことを説明したいと思います。

近年、日本人サッカー選手が海外チームに移籍する機会が増えています。
しかし、本人の調子や周りの期待とは裏腹に活躍できないことがあります。
日本時代にはエースとして活躍し、満を持して海外チームに移籍したにも関わらず、チーム事情によって出場機会に恵まれない。
サッカーファンとして歯がゆいのですが、こういう選手いますよね。

もう一つ例を出します。
テレビでよく見る、タレントが世界の高い山に挑戦する企画。
何ヶ月も準備を重ねたにも関わらず、途中でタレントの体調が悪化し登頂を断念することありますよね。
「なんでこんな時に限って体調が悪いんだ」と悔しがっている姿を一度はご覧になったことあると思います。

この人たちは、なぜ実力を発揮できないのでしょう。
縦軸を「環境」、横軸を「調子」としたマトリクスの図で表すと以下のようになります。

まずは、先に挙げたサッカー選手の場合は「環境× 調子○」(図の①)。
テレビタレントは、「環境○ 調子×」(図の②)。

このように考えると、人は「環境○ 調子○」の状態(図の赤い部分)でないと能力を十分に発揮できません。
ベストな状態で能力が発揮できるのは、割合的に見ると全体の25%しかないことになります。

さらに細かく考えると、環境の中にもいくつもの要素が含まれており、その要素一つ一つを考慮していくと、マトリクスの軸がいくつも増えていきます。
多次元になればなるほど、条件は複雑になっていき、自分のコンディションが完璧に近い状態でチャレンジできるタイミングは0に等しいことになります。

つまり、挑戦するときには、ほぼタイミングがあっていないということになります。

そう考えると、先ほどの例であげたテレビタレントの発言は正しくありません。
「なんでこんな時に限ってベストな状態じゃないんだ」ではなく、「ベストな状態で挑戦できるタイミングはほぼない」です。
ネガティブなように思えますが、これが事実です。

しかし、安心してください。
考え方次第で、成功確率は上げることができます。

今度は、仕事を選ぶ時のことを考えてみましょう。

多くの人にとって、自分にとって「いい仕事かどうか」を考える上で、判断軸となるのが「稼げるかどうか」ということですね。
その一次元で考えると、仕事の半分は「良くないもの」となってしまいます。

そこに「好きかどうか」という軸を加えることで、「収入×好きの度合い」という2軸のマトリクスで判断することができるようになるのです。

そうすると、図のような「好きで稼げる」「嫌いだけど稼げる」「好きだけど稼げない」の3つの範囲が自分にとって好条件の仕事に見えてきます。

捉え方を変えただけで、当初の25%から75%まで成功確率を3倍上げることができました。

捉え方を変えることの大切さ


この「見方を変えてみる」ということがとても大切です。

一つの平面上で考えると悲惨な事でも、一歩目線を引いて考えることで喜劇に変えることができる。
「面白い映像をワイプで見てるテレビタレントを見て笑う」という構図で、いわば「バラエティ的な視点」です。
彼女に振られた状況だったとしても、俯瞰的に見れば笑えますよね。
ワイプ画面のように自分の人生を見ることで、ネタ的な面白みを捉えられるようになります。

自伝映画は、困難な状況を経験しているから成立しているんですよ。
嫌な思いを全くせず、成功だけで大人になっていくストーリーには何の面白みも感じません。
いいことばかりやっていると、面白みが足りない人間になってしまいます。

若者が失敗した時に「なんであんなミスをするのか」と問われることがありますが、僕に言わせればそれはナンセンス。
なぜそれが問題なのかということがわかるかというと、同じように大人は若い頃に失敗を経験してきたからです。

若い人が未熟であるのは、若くて経験したことがないからであり、若い時にそれを経験させてあげなければ、それが未熟なことだということすらも理解できません。

「なんでこんな失敗するんだ」と言われたら「だから俺は上司じゃないんですよ」と言い返してやればいいんです。
「これからそれを学んだうえで上司になるのであり、上司であるあなたはそれを学んできただけだろう」と。
それくらいトライアンドエラーを経験しないと人は成長できないんです。

なので、僕は人のオススメだけを参考にすることを避けています。
人からのオススメばかりを聞いていると、失敗する回数が減り、つまらないことを経験しなくなっていく。
失敗を経験しないと、失敗を経験した時に湧く感情を感じれず、人間的に成長しない。
むしろ、つまらないことや失敗したことをいかに経験するかが価値になるのです。

今後の目標


僕個人でこれまで5冊以上の本を書いています。
今後も本を書きたいと思っていますが、同じジャンルや内容のものは書きたくないです。

例えば、以前「最速で身につく世界史」という世界史に関する本を出版しましたが、僕より世界史に詳しい人なんて山のようにいると思います。
ではなぜ僕が出版社に選ばれたかというと、「テレビマン×世界史」という組み合わせが面白かったからだと思います。

そのことからもわかるように、これからはどうやって自分独自の新たな切り口を出していけるかが大事になってきます。
「〇〇に△△を掛け合わせる」という思考が大事なので、いかに自分の書く内容にオリジナリティを持てるかということにこだわってやっていきたいです。

角田さん、ありがとうございました!

写真撮影: 矢野拓実(@takumiYANO_)
会場提供: BOOK LAB TOKYO