おはようございます!朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です!

誰もが知る大手IT企業「Google」。ここで、人材育成や組織開発、リーダーシップ開発で活躍。2015年に独立し、「未来創造事業プロノイア・グループ株式会社」と「HRtechを開発するモティファイ株式会社」を設立。その代表取締役を務めるのが、ピョートル・フェリクス・グジバチさん@piotrgrzywaczです。

これまで出した著書は

0秒リーダーシップ

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法

NEW ELITE〜グーグル流・新しい価値を生み出し、世界を変える人たち〜

Google流 疲れない働き方

日本人が知らない会議の鉄則

人生が変わるメンタルタフネス』と多岐にわたります。

今年は出版ラッシュなのか、8月20日に『世界最高のチーム』も発売。

 

そんな敏腕ビジネスマンであるピョートルさんが考える、これからの働き方、これから活躍していく人材とは?

ピョートルさんの著書である「NEW ELITE〜グーグル流・新しい価値を生み出し、世界を変える人たち〜」に沿って、お話を伺うべく、朝渋著者と語る読書会を開催しました。今回は、その様子をお届けします。

 

 

ピョートル・フェリクス・グジバチさん

プロノイア・グループ株式会社 代表取締役 / モティファイ株式会社 取締役

2000年に来日。ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、2011年Googleに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からグローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年に独立して現職。『0秒リーダーシップ』『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法』『NEW ELITE』『Google流 疲れない働き方』『日本人が知らない会議の鉄則』『人生が変わるメンタルタフネス』『世界最高のチーム』の著者。

 

 

テクノロジーと仲良くなれば何でもできる

ピョートルさん ”未来は予想できないが、未来は発明できる”。ニューエリートというのは、”未来を創造しているひと”というのが僕の定義です。ただ目の前の仕事をやっていくだけということではなく、自分の未来が社会の未来をつくっていくということを、ニューエリートの彼らはわかっています。

私は、「2025年までに誰でも自己実現できる世界をつくりたい」と考えています。このように、”こういう仕事がしたい!”ではなくて、”こういうミッションを達成したい!”ということになれば、仕事の域を超えていきます。

その次に何が起こるかというと、Life and Work Integrationですよね。統合するということです。プライベートと仕事の境目がなくなっていくんですね。なぜそうなるのか?今何が起こっているのか?について、これから話してみたいと思います。

 

まずはデジタル化ですね。モノがデータになるというのは、皆さんも感じていると思います。アプリがまさにそうですよね。デジタル化することで、我々が把握できないほどの、大量のデータが集まります。

その次にそのデータを使って、新しいことをつくっていきます。新しいビジネスモデルを世界に出していく人が現れて、世界中の人たちはそれを使用し、これまであった既存のビジネスが破壊されていく。

その次に、固定資産を持たないようなビジネスが拡大されていきます。さらに、金銭にこだわらない価値の拡大がはじまります。そして、民主化が加速していく。

何が言いたいかというと、今皆さんが少しでも工夫すれば、テクノロジーと仲良くなれば、独立はできるし、副業もできるし、なんでも出来てしまうということなんです。個人が大きな企業と戦える時代になっています。それは実際にこれまで何度も、実践されてきたことなのです。

 

クビになる準備はできましたか?

ピョートルさん 皆さん、「Are you ready to get fired?」という英文をご存知ですか?これは、「クビになる準備はできましたか?」ということです。これから世界は変わっていきます。ものづくりの世界よりも、仕組みづくりやコミュニティづくりにフォーカスした世界へと変わっています。

また、強欲・金儲けではなく、誰かのためにという利他主義が今のビジネスの常識です。世界のため、社会の問題を解決するためにビジネスを作らないと、民主主義の中ではうまくいきません

組織はクローズドではなくオープン。枠ではなく軸の組織が求められています。ミッションに社会の皆さんが共感できて、一緒に何かをやっていきたくなるというのが、とても重要です。さらに、トップダウンではなくて、ボトムアップのゴール設定も大切ですよね。社畜みたいに社員を扱うことも、本当によくありません。

計画主義ではなくて、学習主義ということも大切。キャリア教育とよく言われていますが、僕は大嫌いなんです。キャリアなんて、1年後には変わっているもの。あまり先ばかり見るのではなく、目の前の興味のある勉強会に行く方がおすすめですね。

プレイングマネージャーのように、隣の人と同じ仕事をするんじゃなくて、ポートフォリオマネージャーが求められています。これは問題解決ができるマネージャーということです。

次に鵜飼のマネジメントではなく、羊飼いのマネジメントがいいですね。いかに、リーダーシップを取っていくか?というお話なんですが、周りの人たちにサポーターとなっていただけるか?ということが大切です。

 

生産性を高めて、自分にしかできない仕事を

(ピョートルさんが実際に使用したスライド資料 ※以下同じ)

ピョートルさん ニューエリートになるまでに、この表のように「ゆでガエル層」から「アルケミスト層」というのがあります。「ゆでガエル層」というのは現状に満足している方々のことです。

次に「気付いた層」があります。このままじゃダメだ、、でもどうすればいいのかわからない、、という方々です。次に「変えたい層」。どうしたら変えられるだろう?と考えて、「実践層」で動き始めます。

「変革層」「アルケミスト層」というニューエリートの領域までいくと、影響力を持ち合わせている。彼らは、良い意味で会社のルールを破っていくことができます。

皆さんには、テクノロジーと仲良くなっていただきたいと思っています。それはどんなテクノロジーでもいいんです。LINEでもMicrosoftでもなんでもいい。ちゃんとテクノロジーを使って、自分の無駄な仕事を無くしていき、いかに生産性を高められるかということに目を向けてほしいです。そして、おもてなしや対人力に力を入れていければ、インサイトや閃きに繋がり、自分にしかできない仕事を実現できます

 

クリエイティブエコノミーでニューエリートの世界へ

ピョートルさん 下からWORK1.0、WORK2.0とあります。これは、生産産業の中で勤勉さや服従が求められていたことを表しています。いまだに日系の大手企業の中には、工場のような働き方を求めているところもあります。「自分は工場の働き人ではない!」と頭に入れて物事を考えられれば、生産性を高めていくことができます

上の表の赤い線は、テクノロジーの境界線です。すでにAI化、自動化できるものが、赤い線の下にあたります。また、英語も重要なキーワードです。英語はこれからの日本において、2つ目の言語になると確信しています。

最後に、クリエイティブエコノミー。これがWORK3.0。率先、想像力、情熱を持つということです。ここでは、新しい自分にしかない価値をつくるということで、それはまさに、ニューエリートの世界なのです。

 

働き方が多様化するからこそ、様々な選択肢を持とう

ーここからトークセッションに移りたいと思います。日本って、まずは型にハマれという教育が、とても強いと思います。この型から抜け出すために、ピョートルさんが実施したことってありますか?

ピョートルさん そもそも自分の中で、スーツは好きではありませんでした。しかし、環境に対して自分をどう適応していくか?を考えていかないといけないので、スーツを着ていましたが、、そんな中、自分にしかできないことがあるはず!と考えたことがきっかけでした。

僕自身、独立するのが遅かったと思います。40歳で独立したので、もっと早い段階で独立してもよかったのかなと。僕の人材育成、組織開発、経営者育成の専門家として独立すると、やはりそこそこ年齢をいかないと、社会から信頼されないんですね。ただ、起業という選択肢はありです。そのためには、”自分が何をしたいのか?”を考えていくことが大切になってきます。

これからの働き方の形は、ガンガン変わっていきます。例えば、副業ができる企業はどんどん増えていますよね。だから、自分が本業でやっていることを違うところでやる。自分の専門性を会社の外でやってみるという選択があります。

逆に、全然違うことをやるという選択肢もあると思います。いわゆるパラレルキャリアですね。うちの会社でも、様々な方が働いていますよ。リクルート、Yahoo!、電通、経済産業省の人が副業で入ってきていますしね。

また、学生の方は、なるべく早い段階で働いてみることをおすすめします。社会人であれば、興味ある会社や職業があれば、なんらかの形でやってみるのがいいと思います。そうやって、一歩ずつ一歩ずつ自分の経験を積んで、独立していくのはとてもありだなと。

 

アメリカでは”チャンス”、日本では”危険”

ーゆでガエルの図があったと思うのですが、あれは上がること=独立することになるとは限らないのかなと思うのですが、いかがでしょうか?

ピョートルさん そうですね。独立というより、自分にしかできないことを考えることが大切です。すでに自分のやりたいことを100%やっているのが実践層。アルケミスト層というのは「ちょっと待って。そもそもそれをすることに意味があるのですか?」とルールを破ってみようと思える人たちです。

僕はうちのマンションの理事長をやっているのですが、この経験を通じてお伝えしたいことが2つあります。理事長ってめんどくさい役職のため、みんなやりたがらないのですよ。このようなめんどくさいことお願いされた時に「あ!チャンス!」と思えるかどうかは大切です。めんどくさい、泥くさいことっていうのは、学習するチャンスなんです。

もう1つは、民泊のディスカッションになったときに、法律上は許されるようになってきましたけど、「規約上で禁止したい」と理事会で意見がでました。何で禁止したいかというと、ロビーでわいわいされたり、汚されたりするのは嫌だと。その時に、法律より厳しい規約を決めたいと思う民族って、日本人しかいないと思いました。

アメリカではとてもAirbnbがとても活発です。アメリカ人は、法律が曖昧なことに対して”チャンス”だと思います。日本人は”危険”と思ってしまいます。ルールを破らないのは、世界で日本人だけというのは、実際にあると思います。そして、それはリスクになってしまう。なぜ、それがあるのか?と聞いても「昔からあるから」と返ってきて理由を説明できません。これだと、アルケミスト層にはたどり着けないんです。

 

理不尽が起こるのは自己開示ができていないから

ー理不尽なことに対して、組織に立ち向かえるかってとても難しいと思うんです。

ピョートルさん それは日本の大きな課題だと思います。職場で理不尽なことってたくさんありますよね。上司の理不尽もあれば、部下の理不尽もある。この問題はバイアス、偏見が原因です。これはこう!みたいな固定概念がたくさん溢れているんです。

例えば、会社で「彼女はママさんだから早く帰っていい」と子育て中の人を早く帰すと、残りの社員にその人の仕事が降ってきて、彼らは残業せざるを得ません。一見いいことなんですが、”ママさんを早く帰す”というのは固定概念なんですね。

ポジティブな意味で、ネガティブな結果を出しているのが、理不尽だと思うので、それが固定概念なのか?偏見なのか?これはネガティブな結果になっていないか?をしっかり考えていくことが大切だと思います。

 

ーこれは羊飼いのマネジメントの話にも繋がってきますよね?

ピョートルさん そうです。人ってとても複雑な生き物ですよね。例えば、目の前にいる100名の皆さんの性格を、僕が全員わかることなんでできませんし、20年間一緒に住んでいても、理解し合えるわけではありません。

いかに、そのわからないことを言語化・具体化していくかが大切です。相手に自己開示してもらえるようにすることが、羊飼いのマネジメントですよね。なぜ、理不尽なことが起きるかというと、自己開示できておらず、お互いのことがわからないからなのです。

 

働き方改革ではなく、経営改革と生き方改革

ールールとかではなく、いい結果を出すことに対して、チームが同じ方向を向くかが大切なんですね。

ピョートルさん そうですね。やはり結果も大事です。僕は結果主義なので、やり方とかあまり見ません。ただ、見ていてやり方が間違っているとか、結果に繋がらないという時には手を打ちます。

「こういうやり方もあるんじゃない?」という感じで、伝えられることは伝えますが、その結果その人オリジナルのやり方で、いい結果を出してもらっても全然構わないと思っています。

ここで働き方の話をすると、”働き方改革”というものに僕は賛成していません。大切なのは、”働き方改革ではなく経営改革と生き方改革”なんです。要は、働き方というのは会社と個人の関係性ということです。関係というのは、どんな契約で動いているかということ。変な言い方ですが、友人や恋愛も契約なんですよ。

1つずつ見ていきましょう、まずは経営改革。会社というのはとある価値を世界に出して、その価値をマネタイズしていく仕組みですよね。価値をつくるためにいかに構築していくかを、ビジネスモデルに落とし込みます。そのビジネスモデルの中で、人材というリソースをどう生かしていくか?を考えれば、逆算して”どんなことをしてもらって、どんな働き方であれば、価値を世界に生み出せるか?”ということを設計することができます。

個人レベルの生き方の話になると、何を世界にもたすために、何を世界から得たいということをまとめることで、自分の価値観の設計をすることができます。また、世界を変えたい時に、自分にとって何が大切で、何が大切ではないのか?を決める必要があります。

よく、ありがちなのは、「起業したいけどスーパーママでもありたい!」というもの。全てを完璧にすることなんて、できないんですよね。自分にとって大切なことを、3つに絞って、そのほかのことを”どうでもいい!”と思う生き方をしていかないと、大きいことは成し遂げられません。

 

ー以上、ピョートルさんの「著者と語る朝渋読書会」の様子お送りしました。

どんどん変わっていく、働き方・仕事のあり方。この変化に対応していき、未来を見ている人たちこそが、「NEW ELITE」と呼ばれる人たちなんだと、ピョートルさんから学ぶことができました。イベント会場は終始笑いが溢れる、とても明るい雰囲気でしたが、時折ピョートルさんから発さられる鋭いコメントに、ドキッとした方がいたのか、緊張感も終始漂っていたように思います。

一番印象に残っていたキーワードは「自分にしかできない仕事をしよう」ということ。今やっている仕事は、自分自身にしかできないことなのか?これを常に自分自身に問いかけていくことが、NEW ELITEになる第一歩なのかもしれません。