おはようございます!朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です!
Yahoo!アカデミアにて学長、グロービス大学院にて講師を務め、あらゆるイベントで好評価を得るプレゼンテーションスキルを持つ、伊藤羊一さん。
昨年、「キングダム 最強のチームと自分をつくる」を出版し、Amazonランキングで上位を獲得!
そして、今年の3月に「1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術」を出版され、現在もAmazonランキングトップ10を維持!!と、手がける本は、人気なものばかり。
今回朝渋では、伊藤羊一さんをお招きして「著者が語る朝渋読書会」を開催しました。本記事ではその様子をお届けしようと思います。
伊藤羊一さん
ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナルMBAプログラム(GDBA)終了。1990年 日本興業銀行→2003年 プラス株式会社→2015年 ヤフー株式会社。グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの大手企業における事業創造プログラムでメンターやアドバイザーを務める。著者に「キングダム 最強のチームと自分をつくる」、「1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術」。
スキルより土台となるOSが重要
伊藤さん「皆さん、”プレゼンテーションよりコンテンツの方が重要だよね”と思われる方が多いと思います。しかし、IPS細胞の山中教授、ご存知ですよね。彼は、コンテンツ半分、プレゼン半分と言ってるんですよ。なぜなら、コンテンツがいくら良くても、プレゼンテーションが悪かったら伝わらないからです。伝わらなかったら意味がありません。
ビジネスの世界では、”一般的知識・専門スキル・マネジメントスキル”が必要ですが、これだけあれば仕事できるのか?と言えばそうではないです。土台となる”聞いて・考えて・伝える”をしっかりできることが、なにより重要です。
つまり、この”聞いて・考えて・伝える”はコンピューターで言えばOSのようなもの。OSをしっかり勉強しないと、ビジネスの世界でコミュニケーションが取れません。プレゼンテーションスキルだけではなくて、”コミュニケーションするためにはこういうことが重要だ”ということを伝えたいと考えています。これができると、どんな仕事にも応用できるので。
では、なぜプレゼンテーションが必要なのか?スタートアップの方は、例えばそのプレゼンがベンチャーキャピタルの方に認められなかったら、資金が尽きてしまう。命がかかっていますよね。フリーランスの方も、同様に人にアピールできなかったら仕事がなくなる。つまり、命がかかってるんです。問題は会社員の方ですね。
会社員の方は、ちゃんと考えて欲しいと思います。何でプレゼンテーションをするのか?と。上司にプランを提案するとか、朝礼でチームの皆さんに伝えたりとか、日頃から皆さん、かなりの頻度で何かのプレゼンをしていることと思うわけですが。
会社員の場合、プレゼンしなくても死ぬわけではないし、やらなきゃいけないからやるって方が多いと思います。でも、それは絶対ダメです。ちゃんと目的を考えてほしいと思います。目的を達成するのがプレゼンです。つまり、プレゼンとは自分が目指す目的、ゴールまで相手を動かすということです。”相手に動いてもらうためにやるんだ”というのを徹底的に、頭の中に入れて欲しいと思います。」
コミュニケーションは聞き手が決める
伊藤さん「これはすごく重要なことですが、コミュニケーションは聞き手が決めます。会社で偉い人だと”言ったよね?”と、言ったことある人は多いと思うんですよね。しかし、それは全然ダメでして、こっちが言ったとしても、聞いてもらえるかはわからないのです。
では、聞いてもらったとしても、耳を傾けて聴いてもらってるわけではない。プレゼンで相手がわからないことを話してても、理解してもらえないんです。もし理解してもらったとしても、賛成してもらわないといけない。賛成してもらったとしても、腑に落ちて行動してもらわないといけない。
(伊藤さんが実際に使用したスライド資料 ※以下同じ)
なので、皆さんがやらないといけないのは、ここなんですよ。行動してもらうこと。そしたら”言ったよね?”とか言っている時点でダメなんです。コミュニケーションは聞き手が決め、このプロセスをクリアしないといけないのですから。」
AIDMAを意識したプレゼンテーション
伊藤さん「人を動かすには、まず聞き手が誰なのかを考えなくてはいけません。皆さんの中には、”相手によって言葉変えるなんておかしくない?”と思う方いらっしゃると思いますが、皆さん日頃から普通にやっているわけです。小さなお子さんには、子供言葉で接しますよね?それも相手によって言葉遣いを変えているんです。それを、大人にもやりましょうというだけのことです。
次に、どこにゴールを置くかを考えます。当たり前のようですけど、ゴールをちゃんと言葉にして、それが達成したかどうかを確認する。例えば、”上司を説得してYESと言わせる”、このように言語化しなくてはいけません。
それでは、ここからが本番です。AIDMAを意識したプレゼンテーションで相手を動かしましょう。
これがどういうことかというと、この順番で人は動くということなんです。iPhoneを見つけたら”お!なんだこれ!”と注目する。触ってみて”ボタン一つしかないし、ツルツルしたボディ気になるなぁ”と関心を持つ。そこで”これ欲しい!”となるのが、Desire。”これはiPhoneって言うんだね!”と覚えてもらい、買ってもらうという流れですね。これってプレゼンも同じなんです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。まずはAttention-注目するです。プレゼンするには、注目してもらう必要があります。一瞬注目してもらうことは、簡単ですよね。わっ!!と大声を出せばいいだけなので。でも、これだと本当に一瞬なんです。じゃあどうするかというと、大事なのは”迷子にさせない”ということです。何を言っているかわからなくなると、意識がぷら〜とどこかにいってしまいます。それをさせない状況を作っていく必要があります。
では、そのためにどうすればいいかと言うと、”スッキリ、カンタンに”です。スッキリとは、言いきるということ。男性の方は、なかなか言いきれない方が多いのですが、そんな方はYoutubeで小泉進次郎さんの動画を見て、話し方を真似してみてください。文節をブチッブチッと切って、話せるようになります。これが良いのは、”えー”とか”あのー”とか言わなくなるんです。あとは皆さん、ついつい難しい言葉を使ってしまいがちですが、それではダメで、カンタンな言葉で説明しないといけません。中学生でもわかるような、カンタンさにする必要があります。
仕事のコミュニケーションは、基本結論と根拠のやり取り
伊藤さん「次はInterest-関心を持つです。面白いことを言うのではなく、ロジカルに考えたストーリーが大切です。どういうことかと言うと、左脳にヒットさせるということ。”そうなんだ!”と小さな頷きがあると、人は関心を持っていきます。それをやりましょう。YESと言うにはわかる必要があるので、わかってもらえる話をする。そのわかる話を、”ロジカルに考えたストーリー”と表現しています。
では、考えるというのはどういうことなのか?悩むと考えるの違いはどこにあるか?それは、”諦めている”か”諦めていない”かです。大前研一さんは、”考えるとは、知識や情報を加工して、結論を出すこと”とおっしゃっています。
次にロジカルとはどういうことか?意味がつながっていれば「ロジカル」なんです。先ほど結論を出そうと話しました。結論には根拠がありますよね?仕事のコミュニケーションは、基本結論と根拠のやり取りなんです。”それは違う、それは正しい”と。結論と根拠の話は、ロジカルシンキングの本に書いていますが、大事なのは意味がつながっていることです。眠いから→コーヒーを飲もうのような。
あと、根拠は1つだとそれを否定されたら終わってしまうので、3つぐらい考えましょう。例えば、”吉野家だと、早いし安いし美味いよね。”みたいなことです。3つ用意すると決めて考えると、考える癖がつきますので、訓練にもなります。いざ考えると、3つ目の根拠が弱かったりするんですが、それは訓練していけば良くなっていきます。
また、その根拠を説明する「事実」を話せると強いです。”早い”だけでは伝わらないなので、”注文してから10秒で出てきます!”みたいな具体性です。コンサル会社の方はやっていますが、一般のビジネスマンで、こういう形でしっかりと考えて話せている人はあまりいません。なので、やったら勝ちなんです。そして、最後に「〜だから、〜である」でチェックしていきましょう。
想像してもらうために必要なこと
伊藤さん「次は、Desire-いいね!と思うです。先ほどのピラミッドでは、左脳が理解してくれますが、いいね!と思ってもらわないといけません。右脳に伝え、感情で判断できるようにする。そのために、イメージしてもらう必要があります。人はイメージで想像するわけですので。
そのためには3つのやり方があります。1つは、写真や絵、動画を使用する。それだと、右脳に直撃します。ただ、文字並べられても、わからないものはわからない。でも、ビジュアルで伝えるとわかりますよね?2つ目は、先ほどの”例えば”を活用する。”牛丼の値段は380円です。マックのセットの半分の値段です。”と言うと、イメージできるんです。これ、人が言っているのを、あまり聞かないのですが、本当に極意だと思います。”例えば”がないと、抽象的になっちゃうんですよ。
最後3つ目、”想像してみてください”と言う、ということです。例えば、キング牧師がそうですね。”I have a dream.”こう言ってイメージさせるわけです。つまり、左脳と右脳どちらも直撃させないと、人は動かないということです。
次、Memory-記憶する。覚えてもらうためには、”覚えてくださいよー!”と言うのも良いんですけど、キーワードを言うことが大切です。覚えやすい言葉で、そのプレゼンを一言で表現するっていうのを、必ずやる習慣をつける必要があると思います。
これって案外みんなやってないんです。覚えてもらうことに、あまり執着しない人が多いんですけど、聞き手からするとプレゼンの内容って、翌日には忘れているんですね。覚えてもらえるように、楔を打つんです。一言で、そのプレゼンを包み込んでいるということが重要です。
最後に、Action-行動する!。行動してもらうには、正しいことを言っているだけではダメなんです。最後は情熱と自信です。情熱と自信とは何か?情熱とは、一番好きなことかどうかってこと。一番好きなことだと、皆んな燃えますよね。
自信は、準備してきたかどうかです。僕はプレゼンする時、早めに会場に入って、立ち位置を確認したり、練習したりします。事前の練習も300回やったりします。孫さんのプレゼンの時もそうでしたね。これだけ練習すると、勝手に口が動くんですよ。別のことを考えていても、口が勝手に動くんです。そんな状態になるから、落ち着いて挑めるんですよ。
このAIDMAを意識したプレゼンテーションを心がけて、相手を動かしてもらえればと思います。以上のことを、”1分で話せ”に書いておりますので、ぜひ読んでもらえれば嬉しいです。本日はありがとうございました!」
ー以上、伊藤さんの「著者と語る朝渋読書会」の様子をお伝えしました。
伊藤さんの説明、、いやプレゼンテーションは非常にわかりやすく、スッと情報が頭の中に入ってくるような感覚でした。改めてわかったことですが、コミュニケーションは相互の矢印が向かい合って初めて成立するもので、一方的な発言は無意味なものなんですね。本日より、AIDMAプレゼンテーションを心がけて、相手に動いてもらいましょう!
伊藤 羊一 SBクリエイティブ 2018-03-14
伊藤羊一さん、朝早くからありがとうございました!
Text by 長田涼(@SsfRn)
Photo by 矢野拓実(https://takumiyano.com)
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★参考記事:
「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)
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