おはようございます!朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です!

今、若手に大人気なメディアをご存知でしょうか?【R25世代が、“知ってよかった”と思える「世の中のこと」を身近に届けるメディア】新R25」です。

斬新な角度で、インフルエンサーたちに切り込んでいく記事は、多くの読者を惹きつけ、公開されたと同時にSNSであっという間に拡散されています。僕もいつも楽しく読ませていただいている、ファンのうちの一人です。

今回は、新R25の編集長を務める、渡辺将基さんをお招きして、「メディアと語る朝渋」を開催しました。本記事では、その様子をお届けしようと思います。

渡辺将基さん

20代ビジネスマンのための”世の中がわかる”Webメディア「新R25」編集長。ネットベンチャーを経て2012年にサイバーエージェント(社長室)に入社し、UI/UXディレクターとして複数のコミュニティサービスの品質管理を担当。2014年、プロデューサー兼編集長として「Spotlight」を立ち上げ、月間ユニークブラウザ数2000万を超える規模まで成長させる。2017年、「R25」とのメディア統合に伴い、新子会社を設立し、同社取締役に就任。

「人×切り口」企画における5つの極意

ー新R25で大人気の「マネ凸」で、様々な方にお話聞いてると思うのですが、誰が印象的でしたか?

渡辺さん そうですね。誰というよりは、お金の話を聞いても、みんな少しずつ違う感じが面白かったですね。田端さんは自分で資産運用やってますし、他の方は全然やってなかったり。ただ、もう取材する人がいないなぁと思い始めてます。笑

ー第1弾で、サイバーエージェントの社長の藤田さんに記事を取ったことによって、堀江さんや田端さんの記事が実現したところもありますか?

渡辺さん それはあると思います。一個大きい実績を出せると変わりますね。藤田の記事を公開する前から、田端さんには依頼をしていましたが、やりとりのチャットが止まっていたんです。でも、藤田の記事を出したら、返事が返ってきました。「このクオリティで仕上げてくれるんだ」という信頼を作れた、ということだと思います。

渡辺さん 今どういったものが面白いか?そこは”人”に依存しているところが大きいと思います。今の時代、情報そのものというより、「誰から」の情報なのか?が大事とされています。情報が溢れすぎて、選べないんですよね。なので、人はとても重要。

また、人に対してどういった”切り口”で取材すればいいか?ここも、とても重要です。この「人×切り口」の掛け算が企画です。人を選ぶだけではなく、何の軸で聞いていくかを考えているんです。それでは、今回はこの切り口についてお話できればと思います。

切り口の極意として、全部で5つです。まず1つ目は「絞る」。これは、企画を立てるときに、できるだけ狭く落とし込んで考えてみるといい、ということです。お金の話→お金の使い方の話→お金が増える使い方の話、このようにどんどん狭くしていく。

すると、企画にエッジが立ってきて輝きます。なので、もっと奥があるんじゃないか?もっと狭くできるんじゃないか?という視点で考えるクセをつけるとよいと思います。

ー狭くしていくと、読者層が少なくなっていくと思うのですが、それはどのようにお考えですか?

渡辺さん 結局、絞れてなく広く取ろうとしても、誰にも刺さらないと思います。だから、まずは思い切って狭くする考えでいた方がいいですね。実際の取材ではそこから広がっていくこともあると思うのですが。

それでは、2つ目いきましょう。「逆張る」です。これは、Spotlightのときもやっていましたが、世の中の流れや固定概念と、逆のことを考えます。これが企画としてはとても強いんです。ただ、それをあざとくやるもの違うので、素直な気持ちでやれる企画でないといけません。

例えば、新R25では「家に住まない男」という企画をまだ家に住んでんの?というキャッチコピーで出しました。世の中では、家に住むのは当たり前なことですが、そこを逆張りしたんですね。すると、タイトルが強くなる。

渡辺さん では、3つ目。「揺さぶる」。これが一番新R25らしさが出ている点かなと思っています。同じテーマで取材しても、揺さぶった結果出てくるダイナミックさというものがあるんです。堀江さんに多動力についてインタビューしましたが、「多動力について教えてください」という取材と「多動力って極論じゃないですか?」と切り込む取材では、印象が変わってきますよね。これが”揺さぶる”です。

ー普段聞かれないことを当てるみたいなことですか?

渡辺さん そう。そして、揺さぶると結果としてインタビューする人の主張が強くなります。インパクトのある記事になるんですよ。ここはいつも気をつけているポイントですね。

では、4つ目。「極端にする」。例えば、朝活の魅力を誰かに伝えたいとなった時、ポイントが何個かありますよね。それを話すだけだと普通なんです。なので、これを極端にしようと考えます。「朝活のいいところを100個出るまで帰れません」みたいな企画にするとか。

堀江さんの企画で、「週刊誌記者になりきって取材するって企画」をやりました。あれも極端にいった例ですね。めちゃ勇気いりますけど。笑

渡辺さん 最後5つ目は「ギャップを出す」。これは企画でギャップが出るような組み合わせを狙うということです。相手の新鮮な一面を引き出すことを意識しています。例えば、キッズラインから出ていた「箕輪さんに子育ての話を聞く」インタビューとか。笑

大きくはこの5つが切り口の極意です。

そして、最後にもうひとつ大事なポイントをお伝えすると、それは「仕上がるの?」ってことなんですよ。ここが圧倒的に抜けていることが多いです。編集会議で盛り上がっても、ここをやり切れないと、僕は企画じゃないと思っています。

これはステージが関係していて、編集部や個人のステージが上がっていくと、今まで取材できなかった人に取材できることもあります。なので、自分たちの力量を冷静にわきまえて、企画することが大切です

あとは、「その企画って、どう展開していくイメージ?」と聞くと、みんな意外と答えられなかったりするので、切り口だけではなく、その奥にどう展開させて、どう落としたらおもしろいか?を考え抜く。新R25の場合、読者に学びを提供したいというのがあるので、単にふざけただけみたいな企画もダメですね。

ー揺さぶるとか極端にすると、相手の失礼に当たるところも出てくると思います。実現するためには、事前に信頼関係をつくる必要があると思うのですが、そこはどうでしょうか?

渡辺さん 取材の前半は、相手に十分にリスペクトを伝えるようにしています。リスペクトが伝わりきった状態で、突っ込んでいく。そうしないと、ただの失礼なやつになってしまうので。笑 あとは、事前になるべくメディアの方向性や企画の意図を伝えるようにしていますね。その時に実績があると役に立ちます。切り込んでもこういう風に仕上がるんだ、と安心してもらえるので。

朝活の魅力をR25世代に届ける記事企画

今回のイベントでは、事前に参加者から「朝活の魅力をR25世代に届ける記事」の企画を考えてもらい、アイデアを集いました。その中でも、渡辺さんが気になったものをピックアップし、それについて話していきます。

渡辺さん やはり、「朝活×人」で出してくれている人が多かったですね。新R25を意識してくれていたのかな?

まず、シンプルだけど、「朝活×ビジネス」。僕はこれいいと思いました。

ビジネスにつなげるなら、例えば佐渡島さんとか。佐渡島さんは朝早くから、アイデア出しをしているみたいです。なので、「佐渡島さん×朝活×アイデア」みたいなテーマだとおもしろくなると思います。ビジネスマンが読みたくなる記事になるかなと。

渡辺さん 次は、「朝活 VS 夜活」。これも多かったですね。マツコ・デラックスさんや堀江さんは夜タイプなので、いいかもしれませんね。でも、まだまだこれを最終的にどうおもしろくなるか?まで落とし込めているものは、少なかったです。

「朝渋メンバーがマツコ・デラックスさんに朝活の魅力を説得しにいく企画」。これはそこまでイメージしているのでいいですね。

ただ、実際に朝活を体験してもらうような企画は、実は結構難易度が高いです。そういうレポート系の記事をおもしろく仕上げるのは、センスが必要なんですよ。

渡辺さん では次いきましょう。恋愛系で出してくれてた人がいて、例えば「朝活×デート」。これ、「デートは夜にするもの」っていう固定概念の逆を突いていていいですね。

「朝、メイクが落ちてない状態でデートできる」「急な仕事のトラブルでドタキャンになる心配がない」とか納得感もあります。これ書いてくれた人、会場にいます?あ、ありがとうございます。これは実際にやっているんですか?

参加者 彼氏が夜勤の仕事で、朝に会うことが多いんです。

渡辺さん なるほど。書いてくれた理由を読んでいると納得できたので、そこがとてもいいなと思いました。切り口が斬新なだけじゃなくて、内容が合理的で納得できることってこともとても大事。あとは、これを話せる人をアサインできれば、拡散するのがイメージできますね。

”目線”を上げることの重要性

続いては、気になるキーワードを、モデレーターが渡辺さんに突っ込んでいくトークセッションへ。渡辺さんに、企画以外の話題も聞いていきます。

ーはじめはメンタルについてお聞きしたいと思います。様々な著名人と会っていると思いますが、どんなメンタルコントロールをしていますか?

渡辺さん 正直メンタルって鍛えるの無理じゃないですか?笑 小さな頃に自分の努力によって何かを乗り越えてきた、という体験を積み重ねると、困難が訪れても「なんとかできるはずだ」と思えるのかなと。そういう経験が、メンタルの強さに直結するのかなと思います。

そうやって育まれた確固たる自己肯定感とか自信があると、どんだけ辛いことがあっても潰れない。逆にその自己肯定感がないと潰れてしまう。今からメンタルを強くしようとするなら、小さくてもいいので、成功体験を積み重ねるしかないかなと思いますね。

ー著名な方に取材する前に、徹底的に準備すると思いますが、どういった情報を集めてますか?

渡辺さん 基本的には、オーソドックスにネットや本の情報を集めます。ただ、その情報を使ってどうやって相手にリスペクトを伝えるか?ここに工夫が必要だと思います。「本見ました!感銘を受けました!」とストレートに言うだけではダメ。サラっと手持ちのカードを出しながら自分の意見を伝えていく。

また、様々な情報を集めていると、「これとこれはこう繋がっているな」みたいなことが見えてきます。そういった仮設をぶつけたり、できるだけ一個上のレイヤーで話すことを意識しますね。

ー渡辺さんと話していると、「目線」が高いなと感じるのですが、ここはこだわりがありますか?

渡辺さん あるタイミングから、新R25がコンテンツとしてうまくいき始めました。それは何が理由だったかというと、編集部の「目線」が上がったこと。本当にそれだけです。

例えば、「こういう企画出して?」というより、「めちゃくちゃおもしろいこういう企画出して?」というのでは、企画のレベルが上がりますよね?そういうことなんです。ただ、これが一般の会社は組織レベルで、できていません。

大量生産でコンテンツつくるコンテンツファームみたいなことになると、「クオリティの高いコンテンツを出してやる!」とはならないですもんね。組織によって「目線」は全然変わると思います。なので、今新R25に来てくれれば大きな成果を出せる、くすぶっている若手はたくさんいると思っています。

また、組織のリーダーの役割は「目線を上げること」が一番大事。自分はそのためにどうすればいいか?を徹底的に考える必要があります。目線が上がると、そこに対してトライしてくるので、勝手にスキルは上がっていきますよ。

ーそれってどうチームに浸透していくんですか?

渡辺さん 結果が出れば自然と広がっていきます。あと、うちの会社のいいところは、コンテンツをつくれない上司でも、絶対無理だと思うことをガンガン言ってくるんですよ。それを言われ続けると、やはり目線は上がってきます。ぼくがフリーランスでやらないのはそれが理由です。組織に目線を上げてもらっているんです。

ー新R25では、どのような目標を置いていますか?

渡辺さん 我々のヒット記事の目標数値を持っていて、ソーシャル上でいかに数字をつくるかを重要視しています。いまのWEBメディアの構造上の問題は、スマートニュースとかYahoo!ニュースなどのプラットフォームにぶら下がって、そこで数字を稼ぐことに意識がいってしまっているところ。これだと、メディア自体のブランドは成長しません。

新R25は自力でコンテンツを広めるパワーをつけようということで、いまはソーシャル上の数字を目標にしています。

ーそれはどのSNSなんですか?

渡辺さん FacebookTwitterNewsPicks、はてぶなどですね。そこで見られれば本質的にメディアのブランドが拡大していく場所を選んでいます。目標設計は大事ですね。

コンテンツのクオリティを左右する3つのポイント

最後に参加者からの、質疑応答の時間。

参加者 渡辺さんは、20代の時と30代の時では、目指すところは変わりましたか?

渡辺さん あまり変わってないかもしれませんね。僕が考えているのは、LINEみたいな国民的ヒットサービスを作りたいということです。それはずっと変わりませんね。まだまだ達成できていないところなので。

自分の信条としては、クリエイティブなものは効率よくは作れない。本当にインパクトあるものは、上手く作るとかではないな、と思っています。

参加者 ライターさんとのコミュニケーションを取る際、どのタイミングでチェックを入れていますか?

渡辺さん 少し質問とはずれてしまいますが、まず、そのライターさんのやりたいことを無視した企画の振り方は絶対にやめようと思っています。

コンテンツのクオリティを左右するのが、「企画」、「取材」、「執筆」、この3つです。それぞれでどうクオリティを高めていくか?ってことを考えています。

取材のところだと、取材シートを作成しています。「どうなったらこの取材は成功なのか?」という成功イメージ、その下に「その成功イメージを達成するために、どんな質問をするのか?」をライターさんに書いてもらっています。この成功イメージがとても大事ですね。

参加者 取材の際、臨機応変に対応するために、現場で心がけていることはなんですか?

渡辺さん 最近、編集部でも同じような議題を話していてました。臨機応変って難しいですよね。営業ロープレみたいな話になってしまうので。なので現実解としては、質問のパターンを多く用意しておいて、違う場合はすぐパターンを変えるってことぐらいしかできない気もします。

また、記事が拡散した実績が出ると、「取材ではこれだけの取れ高があればいいんだ」って感覚でわかってきます。すると、相手のいいコメントを引き出せると、自分の中でメーターが溜まっていくイメージが持てるんです。そのメーターがいっぱいになったら、取材終了!みたいな。この感覚を持てると、たとえ思わぬ方向に取材が流れても、そっちでメーターが増えればいいやと思えるので、焦らずに対応できると思います。

ー以上、渡辺さんの「メディアと語る朝渋」をお送りしました。

渡辺さんの企画の思考法、目線の話、どれも身が引き締まるお話でした。特に、目線をあげる話は、どんな仕事をしていても、万人に通ずるポイントだと思いますので、読者の皆さんもぜひ意識してみてほしいと思います。

渡辺将基さん、朝早くからありがとうございました!

Text by 長田涼(@SsfRn
Photo by 小澤彩聖(@ayato_ozawa

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★参考記事:
「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)

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