おはようございます!朝渋の須崎 (@chih_suz ) です。
突然ですが、みなさんは「自己肯定感」という言葉を聞くと、どのようなことをイメージしますか?
「この挑戦は上手くいくのか?と自分で自分を追い詰めてしまい、心がモヤモヤする」
「何をするにも失敗や他人の目が気になり、不安な気持ちでいっぱいだ」
人は、このように自分で自分のことを否定してしまう「自己肯定感」が低い状態では、100%は疎か、50%のパフォーマンスですらも発揮することができません。
では、どうすれば心のモヤモヤが晴れ、圧倒的なパフォーマンスを発揮できるようになるのか?
そこで朝渋では、書籍『コーチングのプロが教える「できる自分」を呼び覚ます一番シンプルな方法 』の著者であり、習慣力・潜在力発揮の方法論のエキスパート、三浦将さん(以下、三浦さん)をゲストに迎え、『著者と語る朝渋読書会』を開催。
モデレーターは朝渋代表の「5時コージ」こと井上(@kojijico)が行いました。今回は、そのダイジェストをお届けします!
三浦将さんのご紹介
三浦 将(みうら しょうま)さん(@Shomamiura)
習慣力・潜在力発揮の方法論のエキスパート、株式会社チームダイナミクス代表取締役。人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ。英国立シェフィールド大学大学院修了(理学・経営学修士)、大阪府立大学工学部卒。参加者に「できればもっと早く受けたかった!」と言わしめるコミュニケーション研修は、実に100%のリピート発注率を誇る。習慣化の専門家として、研修後における研修内容の習慣化、行動定着化の確かな実績にも定評がある。過去の著書「自分を変える習慣力」「相手を変える習慣力」では、累計20万部を越える大ヒット。
「自己肯定感」とは「どれだけ自分を認めているか」
三浦さん:皆さん、”自己肯定感”という言葉にどんなイメージを持ちますか?
改めて聞かれると「”自己肯定感”って何だろう?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。早速ですが井上さん、自己肯定感という言葉にどんなイメージを持っていますか?
井上:自己肯定感は「自分に自信が持てているかどうか」という意味でしょうか?「自己肯定感あります!」と自分で発言すると、あまり良い印象にならないのではないかと思っています。
三浦さん:なるほど!面白いですね。自己肯定感は「どれだけ自分を受け入れているか」と意味であって、「自信」とはまた別です。自分にどれだけOKを出しているか、逆に言うと、どれだけダメ出しをしないか、ということです。
井上:しちゃいます、ダメ出し。
三浦さん:しちゃいますよね。失敗したときに「私、本当にダメだ…」「できない…」など思ってしまいます。でも、その数が少ないことが、自己肯定感の基準だと思っています。
コーチングをして気付いたのは、自己肯定感が高い人は物事を成し遂げていく力が非常に強いということ。逆に自己肯定感が低い人は依存的です。
そして、ご存知の方はいらっしゃるかもしれませんが、日本人の自己肯定感は欧米諸国に比べて非常に低いというデータが出ています。13歳〜29歳の方を調査すると、フランスやアメリカでは7〜8割は「自己肯定感がある」と回答します。日本は「自己肯定感がある」と回答する人は4割台で、半分もいません。
この結果は、アジア人の控えめな性格が影響しているかもしれませんが、それでも韓国では7割を超えています。韓国の若者は、7割以上が「自己肯定感がある」と回答するんです。
比べて、日本は「自己肯定感がある」と回答する人は少ない。けれど、自己肯定感は高めることができると、皆さんに知ってもらうことが大切だと思っています。自己肯定感を上げることが”できる”と知ることがスタートで、自分の中に力があると信じることが大事です。
まさに、潜在能力を引き出すのがコーチングをしている僕で、「潜在能力がある」と思う度合いを強めていくんです。
何かを失敗したとき、うまくいかなかったとき、「潜在能力がある」と思う気持ちが揺らぎませんか?なので、揺らいだとしても大丈夫なように、「潜在能力がある」と思う度合いをどんどん強くしていくんです。
自分自身が「ドリームメイカー」になり、認める
三浦さん:まず、自己肯定感が高い人は何かを失敗しても「あ、”今はまだ”できないんだな」と思っています。例えば皆さんも、「今はまだできないけれど、自分の中には潜在能力がある」と考えられたとしたらどうですか?次のステップ、再チャレンジができますよね。
そして、アントレプレナー(起業家)は失敗してもくじけない方が多いです。とはいえ、誰でも一日二日は落ち込むことはありますが、アントプレナーは落ち込みからの回復が早い。自己肯定感が高いとレジリエンス(しなやかな心)が高いんです。
「未来の自分だったら越えられるぞ」と、自分の中に力があるけれど、今はまだそこには達していないだけの状態だと、信じています。
井上:昔、勤めていた会社の上司に「お前はまだ何もできない」「何故これしかできないんだ」と否定されたことがあります。今は大丈夫ですが、当時は自信を無くしたり、自己肯定感が低くなったりしました。
三浦さん:そう、それはまさに「ドリームキラー」です。夢を壊していく人たちが世の中にはいます。
だからこそ、自分自身が「ドリームメイカー」になりましょう。
「私なんてダメだ…才能がない…」と言うのは、自分自身が自分のドリームキラーになっています。そうではなくて、自分が「ドリームメイカー」になる力を持つんです。
もし、3回チャレンジして3回失敗したら「3回もトライしたなんて、よくやった!どんどんゴールに近づいてるぞ!」とドリームメイカーとして、自分自身を褒めて、認めてあげるんです。
独立をして成功する人は、1回や2回の挑戦だけではなく「やり続ける人」。『ムーミン』のキャラクター、『ミイ』も「最初からうまくやろうなんて、自惚れてるんじゃないわよ。」と、良いこと言いますよ(笑)何事も1回じゃ上手くいきませんから、繰り返しチャレンジすることが大事です。
そして、繰り返しチャレンジをする過程や自分のことを、自分で認めてあげましょう。人は、自分自身に一番認められたいんです。
井上:「人から認められたい」ではなくてですか?
三浦さん:はい。人の評価を気にするというのは、ある意味「人の評価を使って自分自身を認める」ということ。そうではなくて、自分で自分自身を認めることを、習慣化させましょう。
また、「ドリームキラー」を敵にしないということです。ドリームキラーは、なぜドリームキラーになってしまったのか?それは、過去に勇気くじきにあったり、認められなかったりした、ドリームキラーに遭遇した経験があるんだと思います。
だから、ドリームキラーの人を敵視せずに、勇気づけをたくさんしてあげてください。
いいですか皆さん、僕はいつも「損得勘定をして物事を考えましょう」と言います。ドリームキラーとドリームメイカーどちらが得ですか?自己肯定感が高い生き方と低い生き方、どちらが得ですか?と問い、考えながら、選択していくんです。
“自己肯定感”とは「生きる上での”軸”」
三浦さん:また、最初に井上さんが言っていたことと似ますが、「自己肯定感は自信・過信とは別ですか?」ともよく聞かれます。過信とは「人との比較」でしかなく、たまたま周囲よりも自分がよくできた時に、人は過信しやすくなります。
そうではなく、自己肯定とは、人との比較ではなく「自分自身を認めているか」です。
「偏差値が相手は70で、自分は60だった、だから相手の方が頑張っている」ということではなく、偏差値50から努力して60まで上げていたとしたら、その努力した自分を認めているかどうかが大事。偏差値70の人を見て焦るのではなく「私は積み上げてきた。これから61、62にしていくぞ」と努力した自分にOKを出し、認めるんです。
そして、人と比較して得た自信は、脆いのですぐ崩れます。上には上がいるので、歴史上のトップになるまで比較し続けなければいけません。人と比較するのではなくて、自分を認めるんです。行動した自分、進んだ自分を認める、それがとても重要です。
また、自分を認めている自己肯定感の高い人は、必要以上にアピールしない人が多いです。なぜかというと、自分を認めていることで心が満たされているからです。自己肯定感の低い人は、自分を認めていないのでどこか空っぽです。
ただ、人と比べることが良いパワーになる人は、それでも良いと思います。ライバルの存在などが、パワーになる人は、ぜひそのパワーをうまく使ってください。人との比較の話はあくまで、自己否定はやめましょうということです。
もちろん、すぐに人と比較することをゼロにするのは難しいので、徐々に自己否定をする回数を減らして、自分を認める回数を増やしていくんです。否定と肯定、どちらをマジョリティーにしますか?というお話です。
まずは「あ。今、自分を否定したかもしれない」と気づくこと。今日の話を聞いて、皆さんは自己否定したか、認めたか、気づけるようになりましたので、次は「どうする?」と問いかけることができます。「自己否定するのをやめてみる?」と。
とはいえ、感情が許さないときは、無理に自己肯定について考えすぎるのはよくないです。その時は「しょうがない、無理だ」と否定して大丈夫なので、落ち着いたら「次からどうする?」と自分に問いかけてあげてください。無理はよくないですが、これを少しずつ習慣にすると、確実に自分を認める比率が上がっていくと思います。
自己肯定のメリットとは「メンタルの安定」
三浦さん:自己肯定のメリットは大きく4つあります。
1つ目は「メンタルの安定」で、2つ目が「幸せ感」です。表面上のリア中ではなく、自分で自分のことを認めているので、充足感と安定感があるんです。
そして3つ目は「潜在能力が発揮しやすい」ことです。「私なんてダメだ」と思っている人と、「僕ならいける。力を持っている!」と思っている人、どちらが力を発揮できると思いますか?これは単純なお話なので、自己肯定感が強まると、自然と潜在能力も発揮しやすくなるんです。
最後、4つ目は「人を肯定できる」こと。
今、あなたが自分自身を認める度合いはどのくらいですか?30%なのか、50%なのか、90%なのか。この、自分を認める度合いが、人を肯定できる度合いと一緒です。
自己肯定感が高い人は、人を肯定する力も併せ持っていて「同じ人間なんだから、この人にも必ず潜在能力がある」と思っているんです。この考えは、人が育つようになるのでリーダーになり得る方は特に意識して欲しいです。
そして、本日の最後は「自己肯定感を高めるために、どうしたらいいのか」というお話です。ここまで「自己肯定感を高めるために、自分を認める回数を増やす」「人と比較しない」と話しましたが、実はあと一個「思い込みを取り扱う」ということが大切になります。
自己肯定感が低い人は「〜せねばならない」と思い込んでいることが多いです。思い込みとは「その人が勝手に信じ込んでいること」であり、事実とは異なります。「これが成功しないとダメになってしまう」と思ってしまう方がいますが、人生がダメになることなんてありませんので、安心してください。
まずは、思い込みのハードルを下げて、小さな成功体験を積み重ねていきましょう。ハードルを下げてOKを出す回数を増やし続けていると、ここぞと言うチャレンジもできるようになってきます。これは、人生の中で、何か大きなチャレンジをしなければいけない時に役立ちます。
僕は留学も独立も大きなチャレンジだと思っていましたが、これも日々、小さな成功体験を積み、自分を認められることを続けてきたので、チャレンジ出来たんです。
この日本人の自己肯定感の低さは「真面目さ」が関係しているんじゃないかとも思っています。教育も関係すると思いますが、「〜しなければならない」が多く、この「〜しなければならない」を緩めると、だらしない人間に思われるんじゃないか、そんな風に思考するわけですね。
確かに、何もしなければだらしのない人間かもしれませんが、小さな成功体験を積むことは、だらしのないことではありません。ハードルを下げて緩めるけれど、毎日やり続ける、低いハードルを飛び続ける人間になるんです。
イチローは高校時代、毎日部活が終わった後に10分間の素振りを自分に課し、3年間休まずに続けたんです。そして彼は大リーグで「あの10分の素振りが、僕をいまここに立たせている」と言ったんですね。毎日をいい感じに引き締めていくことが、大事なんです。
「自己開示」は、安心安全のコミュニティーで進む
井上:書籍の後半に「自己肯定感を高めるのに、安心安全のコミュニティー(家族・同僚・その他)が役立つこともある」と書かれていたと思うんですが、コミュニティーについてのお話をお伺いしたいです。
三浦さん:すごく良い質問です。人間は「自己開示」、自分のダメな部分やダメだった部分を開示することが必要です。でもそれは、ある程度の自己肯定感があるからできることです。
もう少しだけ言うと、勇気を出して自己開示をすると自己肯定感が上がります。「自己開示できた自分、やるじゃん。」と、自分を認められます。
これは「さらけ出す」ことですが、初めましての人や場所に対して、人間みんな防御シールドを張っていますし、人生、防御シールドだらけだと思います。そして、安心安全ではない場所では、そのシールドをさらに強くしなければならない。
なので、シールドを張らなくていい、家族、親友、安心安全のコミュニティーが最高なわけです。そして安心安全の場所では自己開示がどんどん進み、同じ場所にいる人たちとの関係性が深まります。「自分を出せた自分」と、自己肯定感も上がっていくんです。
そして安心安全のコミュニティーのもう一つの良さは”フィードバック”です。「ジョハリの窓」をご存知の人もいると思いますが、「相手の知らない自分」を言うことが自己開示です。これによって、ジョハリの窓がどんどん開いていきます。そうすると自分がオープンになって、どんどん自己肯定感も上がっていきます。なので、安心安全のコミュニティーに属するということは非常に良いことなんですね。
自己肯定感が上がっていくと、人を肯定する力が上がっていく。リーダーとしてのレベルなどもどんどん上げていけます。
最後にはなりますが、今日何を思ったか、何に気付いたかなど、自分なりに書き出してみたり、考えをまとめてみるなど、そういった行動をしてみてください。今自分が何を考えているのか、得な状態なのか損な状態なのか、自分の状態に気づくこと、客観性を身につけましょう。
そうすると「次にどうする?」ってアクションを考えられるはずです。ありがとうございました!
井上:三浦さん、本日はありがとうございました!
ー以上、『コーチングのプロが教える「できる自分」を呼び覚ます一番シンプルな方法』著者と語る朝渋読書会をお届けしました。
三浦さんが出した今回の著書『コーチングのプロが教える「できる自分」を呼び覚ます一番シンプルな方法』には、自分の現状に気づくことができるワークも多くあり、盛りだくさんの内容となっています。多くのビジネスパーソンやリーダーにおススメできる一冊ですので、是非チェックしてみてくださいね!
三浦さん、朝早くからありがとうございました!
Text by 須崎千春(@chih_suz)
Photo by 矢野拓実(https://takumiyano.com)
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★参考記事:
「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)
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