渋谷道玄坂で開催している朝活コミュニティ「朝渋」。
8月10日(木)は『40歳が社長になる日』の著者であり、株式会社プロノバ代表取締役社長の岡島悦子さんをゲストにお招きして『著者と語る朝読書会』を開催しました。
岡島悦子(おかじまえつこ)さん
株式会社プロノバ代表取締役社長
経営チーム開発コンサルタント、経営人材の目利き、リーダー育成のプロ。
年間200名の経営トップに対し、経営課題と事業ステージに合致した「最適な経営チーム」を特定し、後継者登用・外部招聘・経営者コーチング・経営者合宿等支援サービスをハンズオンで提供。経営者やファンド等の株主から「経営×人」領域のディスカッション・パートナーとして絶大な評価を受けている。また、「日本に”経営のプロ”を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービス経営陣を経て、2007年プロノバ設立。アステラス製薬、丸井グループ、セプテーニ・ホールディングス、リンクアンドモチベーション、ランサーズの社外取締役。グロービス経営大学院教授。経営共創基盤やグロービス・キャピタル・パートナーズ等、多数企業の顧問・アドバイザー、政府委員会メンバー、NPO理事等、多数の役職を歴任。ダボス会議運営の世界経済フォーラムから「Young Global Leaders 2007」に選出される。
「大企業の社員は、打席に立たずに筋トレしすぎ」
私はプロノバというコンサルティング会社を経営しており、日頃から経営者と二人三脚で、大企業の経営人材育成をお手伝いしているのですが、大企業に勤める30代・40代社員の目が死んでいるなと感じます。
たしかに、大企業に勤める人の多くは、経営についてよく勉強していて知識も豊富です。
しかし、実際にその知識を現場で実践しているわけではありません。
「なんちゃってコンサル」のように自社の経営方針などにケチをつけているだけの人が多いように感じます。
野球で例えるならば、「試合に出たり打席に立ったりせずに、筋トレだけしている」ような状態。テレビの画面越しに、試合の様子を評論しているようなものです。
実際に試合に出たことが無いので、試合への指摘は視座の高いものではなく、芯を食っていません。
そのような方々を拝見すると、「それだけパワーが余っているなら挑戦してみようよ」と感じて仕方ありません。
スポーツ界では2020年の東京オリンピックなど未来を見据えて、次世代の若い選手にもチャンスを与えて試合感を養わせるための仕組みができ始めています。
しかし、ビジネス界にはそういった未来を見据えた体制が全然できていない。
こんなに社会が変わる潮目となりそうな時代に、デジタルネイティヴと呼ばれている若い世代が、自分たちより上の世代が詰まっているためにチャンスをつかめずに悶々としているのはもったいないです。
『40歳が社長になる日』は、そんな状況に対して啓蒙する、ある種「世直し本」だと思って書きました。
若いうちから修羅場を経験させて適性を見極める
ここ数年で大企業でも、次の社長選びのための戦略的計画、いわゆるサクセッション・プランニングが加速し始めています。
そうした計画の中で多くの企業が実施しているのは、優秀な人材の「早めの修羅場体験」への登用です。
具体的には、経営幹部育成研修によって次世代のリーダー候補の母集団を選抜し、そういったポテンシャルの高い人材を子会社の社長など、意思決定せざるをえない環境に送り込んで実地の経営経験を積ませ、適性を見極める、というような一連の取組みが起こっています。
これは、いわば芸能事務所のアイドル育成のようなイメージかと思います。
デビューする前に、スターグループのバックで踊らせ、光っている次世代メンバーを見極めてユニットを組んでおく。
早い段階でポテンシャルを見極めて登用し、「経営トップ適性がある人材」を複数作り上げ、社長交代のタイミングで「次の社長に最適な人」を必然的に輩出できる、そんな戦略的計画が必要です。
上司の脳内検索に引っかかるだけのアピールをする
そして、社員もただ待っているだけではチャンスは回ってきません。
スポーツ選手もアイドルも、チャンスを掴む人は皆、何かしらのアピールをして自ら機会を取りに行っています。
チャンスが来た時に、登用を行う上の人の脳内検索に自分が引っかかる、想起されるだけのアピール材料となるもの、つまり私が「キャリアのタグ®」と呼んでいる、言語化された自身の「強み」が必要です。
アピールの仕方を考えることも重要で、ただ単に「自分はこれができます」と伝えるのでは効果がありません。そうではなく、社内やチームにおける自分のタグの希少性や市場性を意識し、上の人が自分を選びたくなるようなアピールの仕方を取りましょう。
「そもそも自分の強みがわからない」という人もいるかと思います。
そういう人は、例えば、まずは面倒臭がって誰もやりたがらない仕事を率先してやってみる、というのも一手かと思います。そういう仕事は獲得競争が激しくないことが多いので、そこで機会を得て成果を残し、自身の強みを確立して行けばよいのです。
自分を引き上げてくれるのは、必ずしも直属の上司というわけではありません。
思わぬところから声がかかることもあるので、社内で全国区の知名度になることを目指して努力しましょう。
「働いていて幸せ」と思える世界観にしたい
丁度、今がAIの発達などにより社会が大きく転換していく節目のタイミングであり、絶好のチャンスが誰しもに訪れています。そうした時代にリーダーシップを養うためには、失敗も含めて、意思決定をする経験がとても重要です。
「いいタイミングに生まれた」と思って、自信をもって積極的に打席に立っていきましょう。打席に立って意思決定の経験を積み、早めに健全な自信を養えば、自分自身のキャリアに主導権を発揮していけると思います。
そして、私も「2025年に日本の大企業にも40歳社長が多く誕生する」ことを目指して、仕事に取り組んでいます。その頃に社会がどうなっているのか、未来の予想をするのは難しいですが、どうなっていたとしても、働いていて「楽しい」と思える仕事に就くことが大切だと思います。
「いつか自分の仕事がAIにとって変わられるのではないか」という不安を抱えながら仕事を続けるのは、辛いと思います。そうではなく、「仕事をしていて幸せ」と思えて、楽しんで働けている、そんな世界観になったらいいです。
この本が、多くの人がそんなことを考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
ありがとうございました。
『40歳が社長になる日』
岡島悦子さん、ありがとうございました!
会場提供: BOOK LAB TOKYO
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