最近、起業家やフリーランスが増えてきているけれど、ただの会社員の私にできるの…?とギモンに思う人も多いはず。

著書『ブランド人になれ』やTwitterで、会社員でも個人で信頼を築く重要性を語ってきた田端信太郎さんは、この時代だからこそ会社員であることの価値も十分にあると語ります。

朝渋では、田端さんに個人で活躍できる会社員としてのマインドセットについてお話ししていただきました。

〈文=とにー、写真=北澤太地〉

 

【田端信太郎(たばた・しんたろう)さん】1975年生まれ。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」を立ち上げる。ライブドア、コンデナスト・デジタルを経て2012年NHN Japan(現LINE)執行役員に就任後、上級執行役員として法人ビジネスを担当。2018年2月末に同社を退社し、株式会社ZOZO、コミュニケーションデザイン室長に就任、2019年12月退任。オンラインサロン「田端大学」塾長。

 

今は働き方の変革期ー。個の時代だからこそ会社を使い倒せ!

いきなりですが、今は明治維新と同じような時代の変革期なんです。これまでは武士のように、会社員として一つの企業に奉公する時代でした。しかし、江戸幕府から明治政府と変化したように、これからは会社に頼らず自分自身で生きていく時代になってきています。

 


田端さん

人生100年時代、会社員は期限つきの有期雇用です。65歳で定年退職しても、その後約10~15年間は自分で稼がないといけません。

福沢諭吉は一身にして二生を経ると言葉を残しています。彼の人生は明治維新により真っ二つになりました。彼と同じように、これからは一つの人生で会社員とフリーランス、2つの生き方をする時代になっていきます。だからこそ、一会社員として、一個人として、自分のブランドを築く必要性があるんです。

今の会社員とフリーランスは、明治維新で例えると刀を持った武士と銃を持った兵士です。だからと言って、会社員が負け組でフリーランスや経営者が勝ち組という訳ではありません。これからは会社員とフリーランスを行き来する働き方になっていくでしょう。

 


田端さん

だからこそ、会社員を長年勤め退職した今の自分の使命は、会社員とフリーランスの双方の立場に立つことだと思っています。

 

会社を120%活用できているか?

ミュージシャンに例えると、会社員はフェスのステージでライブをすること、フリーランスは駅前の路上でライブをするのと同じなんですね。

会社に所属すると、決められたセットリストで歌わなければいけないなど多少の制約はあるけれども、ギターアンプやマイクを通してデカいステージに立てる。

 


田端さん

つまり、会社って、ミュージシャンでいうギターアンプでありステージなんです。

「キャピタルのないキャピタリズムはただのイズムだ」という言葉がありますが、資本が指すお金、土地だけでなく、データ、人脈なども含まれます。会社は個人の力を大きくするためのプラットフォームなんですね。信頼は個人につくからこそ、会社員としての最低限のマナーを守り、自分の名前とブランドを結びつけられたとき、社会に大きな影響を与えられます。

 

自分のキャリアの波を見つけ方!

誰にでも、キャリアステップには波がありますよね。転職って、Jリーグからメジャーリーグに行くステップアップの転職と、野球にするかサッカーにするか種目を選ぶ職種探しの転職の2種類があるんです。僕自身は、広義のメディアをしたい!という想いがあり、インターネットが自分の種目だと見つけられました。

その後、ステップアップの転職ができたのは、3回目の転職でLINEに戻ったときですね。初めて自分の波を見つけられ、会社が成長するタイミングで始めから波に乗れた感覚がありました。

 


田端さん

その会社が一番イケているように見えるタイミングは、外と中で半年間くらいのギャップがあります。遅いよりは早い方がいいので、自分が面白い!と思う波が来たら乗れるように会社員としてのマナーを身につけておいてください。

皆さん意外と見落としがちなのが、当たり前の基準が高いところにいくことです。

日本だと「早起きって意識高い!」と思われがちですが、3時間の時差があるニューヨークの株式市場と仕事をしているサンフランシスコの金融マンにとって、早起きは当たり前ですからね。

例えば何となくランチを同僚と食べに行くなど、会社や世の中で、当たり前だと思われていることを観察し疑ってみてください。そうすると、自然と自分の頭で考え意見を持つようになるはずです。それだけであなたの会社員としての”当たり前”はどんどん変わっていきますよ。

 

人生100年時代の会社員としてのルールを身に付けたい人へ

どんな企業でも通じる会社員としての心構えについて、大企業からベンチャーまで色んなキャリアの波を乗り越えてきた田端さんが書かれた本が『これからの会社員の教科書 社内外のあらゆる人から今すぐ評価されるプロの仕事マインド71』です。

これからの社会を生き抜く会社員として、身につけておくべき仕事の仕方や立ち振る舞いがわかりやすく解説されています。

会社員としての今の自分を見直したい!どの会社でも通用するビジネスマナーを知りたい!そんな想いを持っている方にはぜひ読んでもらいたい一冊です!

〈文=とにー、写真=北澤太地〉

 

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