2010年、15歳からプリントタイツのデザイン・販売を開始したハヤカワ五味さん。現在は24歳にしてランジェリーブランド『feast』などを複数展開。2019年からは、生理から選択を考えるプロジェクト「illuminate」をスタートし、話題を集めています。
誰もが一度は、SNSにてハヤカワさんの発信を見たことがあるのではないでしょうか。
常にスポットライトを浴びながら歩み、順風満帆に見える彼女のキャリア。しかし、起業家の華やかなイメージの裏側には、多くの苦悩と決断が隠されていました。
今回は、どのような選択をして今のハヤカワさんに至るのか、著者『私だけの選択をする22のルール』をもとにお話を伺いました!
いつまで経っても正解が分からない自分の人生。「今の職場でいいんだろうか」「この道であっているんだろうか」そんなお悩みを抱えるあなたに、本記事をお届けします!
〈文=須崎千春、写真=井手桂司〉
【ハヤカワ五味(はやかわ・ごみ)】1995年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。株式会社ウツワ代表取締役社長。高校生からプリントタイツのデザイン・販売などを始め、これまでランジェリーブランド《feast》など、複数のブランドを立ち上げてきた。2018年にはラフォーレ原宿に《LAVISHOP》を出店。2019年より生理から選択を考えるプロジェクト《illuminate》をスタート。
選択肢を温存することで「納得のいく選択」ができるように
自分の選択がベストかどうかは、やってみないと分からない。だからこそ、せめて「自分の選択に納得感を持ちたい」と思いませんか?きっと、納得感を持てるようになるだけで自信がつき、心持ちが変わってくるはず。
「結果はどうあれ、やった方が納得できる」と、挑戦を続けた理由を語ったハヤカワさんは、「選択に納得感を持つための方法」についてお話されました。
ハヤカワ
さん
人生は運ゲーです。自分がコントロールできない部分があることを理解した上で、キャリアを組む必要があると思います。それには「選択肢を温存すること」が重要です。
例えば、女性はキャリアを考える時、結婚や出産を考慮すると思うのですが、結婚や妊娠は自分のタイミングだけでは決められない問題ですよね。
もちろん「このくらいの年齢で出産したいな」とは考えるんですけど、実は妊娠の確率ってすごく低いんですよ。年齢にもよりますが、自然妊娠は大体30%くらいの確率です。
でも、知っているだけで増やせる選択肢はたくさんあるんですよ。例えば、年齢によって妊娠の確率が下がると知っていたら、「卵子凍結をする」という選択もできますよね。
女性は人によって卵子の数が決まっているので、そこから排卵の度に卵子が減っていきます。この情報を知っていたら、「今のうちに卵子凍結をしておこう」などと、そういった選択ができるようになります。
このように、まずは選択肢を知り、その上で必要な選択肢を温存しておくことが、自分が納得できるキャリアを積むのに重要なことなんです。
何をするにも不安や後悔は付き物ですが、様々な知見を得ることで選択肢が増え、納得いく選択ができるようなります。この準備をするだけで、「不安が軽くなり目の前のことに集中できる」「納得感があるおかげで自信が持てる」などと心境は大きく変化するでしょう。
決断を成功に導くためには?失敗とどのように付き合うか
選択肢を温存することについて語られたハヤカワさんですが、その一方で、2019年は「やめる選択をする重要性」を感じた1年になったそう。
ハヤカワ
さん
私はやること、やらないことを決めることによって、やれることが増えたり、やっていることの精度が上がると思っています。
例えば2019年は、運営していた実店舗とワンピースブランド『ダブルチャカ』をクローズして、『feast』と『illuminate』に集中すると決めました。
なにをやるか、なにをやらないかを仕訳していくことで余白ができる。そうすると、できた余白に新しい何かを入れることができます。そういった意味で、2019年は「やめることの重要性」を痛感した1年になりました。
「時間はみんなが共通して有限なもの」と話すハヤカワさん。やることやらないことを決めることで、限られた時間をうまく活用できると言います。
とはいえ、誰もが一度は「失敗」を経験するもの。選択を続ける中で誰もが経験するら失敗に対して、彼女はどのように向き合っているのでしょうか。
ハヤカワ
さん
何かを選択していくと、うまくいったこと、いかなったことが出てきますよね。ですが私は、結果が出たときに全ての良し悪しが決まるわけではないと思っています。
うまくいかないことがあっても、結果的にそれを「やって良かったと思えること」にしていくしかないんです。小さな失敗があっても、その経験を成功にしていくしかありません。
やる、やらないを選択した時点での正解、不正解ではなくて、「決断を正解にしていくしかない」という意志を持つことが大切なんです。
あとは「成功になるまで続けること」も重要です。これは捉え方を間違えると危うい言葉でもありますが、「うまくいかせるか、いかせないか」という話で。
そもそも不可能なことはやめた方がいいですが、最低限成功できるイメージがあるのであれば、あとはどれくらい時間がかかるか、それをやりきれるかどうかの話になりますよね。
なので、まずは「成功になるまで続けられるかどうか」を考えた上で、「そもそも成功とは何か」を考える。そして「あとはやるしかない」と腹決めしていくんです。
物事を選択する前に「続けられるか」「成功とは何か」を考えて、腹決めする。たとえ挑戦の中で失敗があったとしても、最初に腹決めをすることで、その失敗さえも必要な出来事にできるとお話されたハヤカワさん。
「本当に今のままでいいんだろうか…」と悩んでしまったときには、一度原点に戻って考えをまとめ直してみるのも、不安を解消する一つの手になりそうです。
選択の積み重ねによって、人の「輪郭」が生まれる
そして最後に、著書について「過去に何をどう選んできたのか、そしてこれから何をどう選んでいくか、その一例を書いています」と紹介する彼女に、改めて「選択の重要性」について伺いました。
ハヤカワ
さん
人は日々「選択」をしていますよね。例えば、朝渋のイベントに来るか来ないか、会場に来るまでにバスに乗るのか電車に乗るのか。様々な意思決定がありますが、意思決定は、ある種考えなくてもできることなので、軽んじられやすいんですよ。
これまで、「選択」に対して価値を見出されることや、意思決定を褒められることはあまりなかったと思うのですが、私は「選択を続けること」でしか、その人自身の輪郭や個性は生まれてこないと思っています。そういった意味で「選ぶことの重要性」をすごく感じています。
自分の人生を選択するための第一歩として「趣味でも仕事でもいいので、やること、やらないことをひとつ決めてみるといい」とアドバイスをいただきました。
ーー選ぶことで個人の輪郭が生まれる
「これでいいんだろうか?」と付きまとう目に見えない不安に勝つためにも、自分の意思で選択を繰り返す。情報が溢れ、多様な生き方が認められる時代になってきたからこそ「選択」について改めて意識したいですね!
選択に役立つ「22のルール」が一冊に!
「過去5年間、執筆のオファーは全て断っていました」と話すハヤカワさん。
今回発売した著書『私だけの選択をする22のルール』は、学生時代から起業し、いわゆる「社会のレール」には乗らなかった彼女の人生遍歴、そしてその中で学んだ「22のルール」が書かれた1冊です!
そして、彼女が事業に注ぐ時間の9割を使ってチャレンジしているプロジェクト『illuminate』は、「生理用品を知り、選び、購入することを通して、より多くの人が小さな『選ぶ』ということの成功体験を得る」というもの。
自身の選択を考える際には、ぜひ一度、書籍や『illuminate』をチェックしてみてくださいね!
この記事をきっかけに「選択の大切さ」が一人でも多くの人に伝わり、自分の人生を経営する第一歩を踏み出していただければ嬉しいです。
〈文=須崎千春、写真=井手桂司〉
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