おはようございます。朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です。

今、ビジネスマンがこぞって愛用するビジネスメディア「NewsPicks」。なんと、ユーザー数は300万人を超えているそうです。もはや、日本を代表するメディアと言っても過言ではない数字です。

このNewsPicksで副編集長をつとめるのが、佐藤留美さん。

佐藤さんは個人の時代と言われる現代においての働き方を提唱した「仕事2.0 人生100年時代の変身力」を、この度出版しました。佐藤さんが考える、これからの時代の働き方とは?

朝渋では佐藤さんをお招きして、著者と語る朝渋読書会を実施しました。今回はその様子をお届けしようと思います。

佐藤留美さん

NewsPicks編集部副編集長。

青山学院大学文学部卒業後、出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年編集企画会社ブックシェルフ設立。「週刊東洋経済」「PRESIDENT(プレジデント)」「日経WOMAN」「プレジデントウーマン」などに人事・人材・労働・キャリア関連の記事を多数執筆。「凄母」(東洋経済新報社)、「資格を取ると貧乏になります」(新潮新書)など著書多数。2014年7月からNewsPicks編集部に参画。2015年1月に副編集長に就任。

なりたい自分とはなにかを考えよう

佐藤さん この本で私が何を伝えたかったかというと、大きく3つしかありません。

1. 一刻でも早くなりたい自分に変身しましょう
2. 自分の「なりたい自分とはなにか?」を考えましょう
3. 変身は辛い、だからこそ若いうちに行動しましょう!

この3つです。おそらく仕事2.0を買ってくださる皆さんは、これからのキャリアに興味があったり、なりたい自分があったり、何かしらの思いがあると思います。そうであれば、すぐ行動して変わりましょうということを伝えたいです。

大人だからこそ、なりたい自分を考えることが大切です。もしかしたら100年生きていくこの時代、75歳のおじいさんになるまで働くとした時、少なくとも2回は職を変えることになると思います。だからこそ、好きなことをやった方が生産性が高いし、なにより楽しいじゃないですか。

何になりたいのか?を改めて考えることは、とてもワクワクすることではないでしょうか。自分は何に対してワクワクするのか?誰に何を貢献したいと思うのか?を考えていくことが重要です。

何をやりたいかを考える上で、一つ参考になるお話をさせてください。前に元リクルートキャリアの社長である水谷さんが、「リクルートキャリアでは憤りが強いひとを採用する。憤りはすごいエネルギーになり、その先にやりたいことが見えてくるんだ。」とおっしゃっていました。地方創生の話でも、東京に若く優秀な人が集まっている現状に憤りを感じて、それをエネルギーに活動しているそうなんです。

「変身痛」を超えた先に見えてくるもの

佐藤さん NewsPicsに入って困ったことは、紙で通用した成功パターンが全然使えなくなってしまったことです。全然前職のやり方が通じなくて、上司の怒られて、本当に辛かった。これが「変身痛」。変身することは痛みを伴い、辛いんですよね。なぜなら、愛する自分・過去の自分を否定することに繋がるからだと思っています。その辛さを超えた先に、見えてくるものがある。

私は自己流のやり方をいっぱい見つけて、それを実践していました。しかし、とあるタイミングで、それらを全て捨てる必要がありました。捨てることができたからこそ、今の結果があると思っています。これまで学んだことや会得していることは、新しいことをする上で邪魔になることがあります。それを捨てるということは、過去の自分を否定していることと同じなんですね。だから辛い。だけど、キャリアが長いと、変身せざるを得ない時がやってくると思います。

私は政府も会社もアテにならないということを、最近強く感じています。働き方改革の本質というのは、100年時代に突入するにあたって、会社・政府が「雇用者をずっと雇用してられない」ということに気付き始めているということ。「皆さん自立しましょうよ」と言っているんですね。

自由と自己責任のセットが、働き方改革の本質だと思っています。ただ、ここで言いたいのは「前向きにとらえましょう!」ということ。早く家に帰れるから自分の好きに時間使えるので、自分で考えて自分のキャリアをつくっていきましょう。

また、日本型雇用が限界にきているように感じます。そのひとつ表れとして、大きな企業が役職を持っている方に「自立型人材育成」というのをやるんですよね。55歳ぐらいのひとを集めて色々やっているみたいですけど、その年でそんなすぐに変われるわけがないじゃないですか!

これまで何も自分で決めてこられなかったのに、急に自立してくださいと言われても、それはかなり不親切な話です。この事実を知ったことも、この本を執筆するひとつのきっかけでした。

35歳〜だからこそ、新しい挑戦をしていく

ーそれでは、ここからトークセッションへ移りたいと思います。ジョブチェンジや新しい環境で結果を出すのは、脂がのったひとたちだというのがありましたが、そこについてお話を伺いたいです。

佐藤さん コンサルティング会社のアンケートで、35~40歳ぐらいの脂がのった時期に新しい挑戦をすると、組織に対してもっとも成果を出すことがわかったそうです。ベースとなる知識と経験がある上に、新しいことに挑戦した結果、厚みのある人間力・これまで培った知見のミックスにより、成果を出してくそうです。これを聞いて、なるほどなと。脂がのった時期だからこそ、挑戦すべきだという視点が新しい気付きでした。

ー突き抜ける人材になるために、3つの強みを身につけようという話があると思いますが、まずは1つの強みを身につけてから、次にいくというのがいいのでしょうか?同時に3つ手をつけるというよりも、、

佐藤さん 最近パラレルキャリアとか副業とか流行っていますので、皆さんに合ったやり方でできればいいと思います。私の場合、同時にやるのは得意ではありませんね、、まずはひとつのことを積み重ねていくしかないなと思っています。でも、人によってはいろんなことを多動的やるのが得意なひともいますので、それは自分が合ったやり方でやるのがいいと思います。

ー本の中で出てくる「眼差しにさらされる」という言葉がすごい響いたんです。これってアイドルが表舞台に出てから可愛くなっていくのと同じなのかなと。

佐藤さん そうですね。NewPicksの何が辛いって、コメント欄があるというところ。そこに書き込まれるバッシングが辛かったんです。だけど、そこにヒントがある。マイナスコメントにこそ学びがあると気づいてから、そういうコメントに対してしっかりリアクションするようにしています。

キツイことを言われないと、人って成長しないんですよね。だから、私はものすごい感謝しています。このような、嫌なこと・苦手なことと向き合うということは、とても重要だと思います。

ー佐藤さん自身にも、何度か変身された経験があると思うのですが、その中で「眼差しにさらされた」経験ってどんなものがありますか?

佐藤さん 本の出版そうですし、転職して最初の一年もそうですね。挑戦する回数が増えると、フィードバックって増えますよね?そういう意味では、眼差しにさらされるっていうのは、大事だなと思います。

市場に自分のものを出すとか、会社内に自分のことを晒すとか、そうするとフィードバックがどんどん増える。そこから、ひとつずつ改善していけるのかなと。やっぱり、人に言われないとわからない。自分で自分の課題を見つけることには限界があると思っているので、周りの声は大事にしていきたいですね。

ー素直さはとても大事ですよね。私の場合は、会社を経営しているので、フィードバックを受ける経験ってあまりありませんでした。

佐藤さん そうですよね、、独立してまた会社員に戻ったり、そこを行き来するのがもっと増える世の中になるべきだし、業務委託のようなフィードバックを適切に受けられるような形で信頼関係をつくっていくというのがいいと思います。

独立して成功すると、似たような人が集まってくるので、学びが止まるという現象が起きると思います。そこに刺激を自らつくっていくことが大事になってきます。

先にいく人は、これまでの型を捨てられる人

ー「学び直し」ということを考えた時、佐藤さんの場合、NewsPicks以外のどこに旗を立てるんですか?

佐藤さん 学びというのは、座学という学びもあるし、本を読む学びもあるし、いろんな学びがあると思います。その中でも、一番大事なのは体験。総じて言えることは、自分にとってはキツイと思ってしまう人と一緒に何かをやるということだったり、自分をタフに追い込むということが最大の学びじゃないでしょうか。

ー「アンラーン・リラーンが大事だ」というのが本の中に出てきたと思います。

佐藤さん リラーンが学び直しという意味ですよね。アンラーンが一度学んだことを捨てる。このアンラーンをしないと、ラーンができないという法則があります。例えば、この編集者という職業の場合、20代の編集者によくあるのは、必ずウケる企画のパターンを覚えて、2,3発当ててしまうと、それがクセになるんです。

そのままやっていく人がいるんですけど、それより先に行く人は、そのパターンを一回全部捨てて学び直して自分の型をどんどん変えていくひとなんですよね。要領とか技術だけでいけることには限界があるんです。辛いけど一回捨てることは、とても重要なポイントだと思いますね。

ー学び方を学ぶことが変身するために必要なことと、書かれていましたよね

佐藤さん とある専門学校があって、ここではメンターがいるんですけども、基本的に自習なんです。必要な時に、適している人に聞きにいくという感じですね。これってまさに、learn how to learnで、誰に何をどのように聞けばいいのか?ってことを嫌でも学べるんですよ。learn how to learnがわかっていれば、怖いことなくなりますよね。

知識はいつかなくなってしまうので、学び方をわかっておくことは、とても重要なポイントだと思います。

私も最近苦手なTwitterをはじめたんです。うちには「最所あさみ(@qzqrnl」というフォロワーを多く持っているすごい子がいるんですが、その子から色々学んでいます。いわばSNSの師匠ですね。師匠にするひとは、年齢にこだわる必要もないなと思います。

ー自分の興味あるひとを師匠にするのではなく、違う業界のひとを師匠にすることも大切になると思いますが、いかがでしょうか?

佐藤さん 自分の中の組み合わせを増やせるのは、とても大事だと思います。自分自身のタグを増やして、幅が広がることになっていきますので。

一つ皆さんに伝えたいことがあります。楽しみましょう!あまり思いつめないで!じゃないと、続かないんですよ。アンラーンをしすぎて、自分を否定しすぎると死んじゃいますよ!笑 体と心の健康を、一番最初に考えて欲しいです。

コミュニティは依存先でいい

ー変身資産について伺っていこうと思います。

佐藤さん コミュニティに入るのも、変身資産だと思います。コミュニティっていい依存先になると思うんです。依存します!ってなると気が楽じゃないですか?もう依存していいと思うんです。じゃないと皆さん疲れませんか?

コミュニティっていうのは、ひとつの居場所であり、心の拠り所であり、依存先でもあるというぐらい、お互い助け合ったらいいと思うんですよ。そうすると、思わぬところで副業や転職に繋がったり、仕事に対する意外なフィードバックをもらったりすることができます。

ー仕事だと利害関係ですよね。実際朝渋に入って、どんな背景かも知らないひとと同じ目標に向けて走るっておもしろいなと感じています。その一方、「ワークショップ温泉に浸かるな!」っていうこともありますよね?

佐藤さん ワークショップに行くこと自体はいいことで大賛成なんですけど、行き過ぎると気持ちいい前向きオーラに包まれるじゃないですか?そうすると行動に繋がりにくくなると思います。あまり気持ちよくなることも考えものだなと。

こういう場を生かすひとの特徴は、すぐにお茶や飲みに誘ってきますね。明日行きましょう!みたいな感じで。すぐ行動すると信頼もされますからね。もう今は手をあげたら勝つ時代だなと思います。やっぱり積極性の時代なんだなと。この本を編集してくれた箕輪さんは、まさにそれを体現していますよね。もう手を挙げることは、一つのスキルなんだなと思います。

ー以上、佐藤さんとの著者イベントを開催しました。どんどん変革している働き方への考え方。この変化に対応していくためには、行動というキーワードが必要不可欠なんだと思います。今回のイベントでとても印象に残ったのが「楽しみましょう!」という、佐藤さんのメッセージ。どんどん詰め込むだけではなく、あえて余白をつくりその場を楽しんでいくことが、これから必要になるスキルなのかもしれません。仕事を楽しみ、努力を娯楽化できるひとが、活躍していくひとなのではないでしょうか。

佐藤さん、朝早くからありがとうございました!

Text by 長田涼(@SsfRn

Photo by 狐塚勇介

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