「airbnb」などのシェア民泊サービス。
シェアサイクル、ライドシェアなどの自転車や自家用車をシェアする文化。

最近、少しずつこのような「シェアし合うサービス」が普及してきています。

しかし、例えば上記に挙げたライドシェアなどは、画期的なアイデアであるにも関わらず、法規制の問題で広まっていないのも事実。
そんな中で、「シェアガール」の肩書きでシェアリングエコノミーを広めている女性がいます。

今回のゲストである石山アンジュさんは、先月2/26に発売された「シェアライフ」の著者。
シェアリングエコノミー伝道師、そして一般社団法人シェアリングエコノミー協会の事務局長として、日本を起点に「シェア」という文化を広めるための活動を行なっています。

徐々に広まりつつはあるものの、我々日本人にとってはまだまだ馴染みが薄い「シェアライフ」。

一体どんな生活なのでしょうか?
そして、シェアライフによって得られるものとは何なのか?

余すところなく語っていただきました。

 

【著者紹介】

石山アンジュさん @Anjurian

一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長。
「シェアガール」という肩書きで、シェアライフを広める活動とともに、それに伴う規制緩和などにも尽力。実家もシェアハウスを営んでおり、現在もシェアハウスに在住している。
著書「シェアライフ 新しい社会の新しい生き方」を2019/2/26に発売したばかり。

 

人は、本来分かち合って生きていくもの

石山さん:シェアリングって、決して難しいことではないんです。
本日も皆さん、お隣の方とお話したり、これまでの経験をシェアしたりしたと思いますが、そのように普段から当たり前のようにしていること。

私は、幸せの根源には「シェア」があると思っています。
人って、本来は分かち合って生きていくものなんです。

本当の豊かさ、その本質って、皆さん何だと思いますか?
それは、もしかしたらお金ではないかもしれません。これまでの「お一人様」「個人主義」という価値観から抜け出す転換点に、私たちはいるのかもしれません。それぞれにとっての新しい幸せの定義が必要。

そして、そのキーワードが「シェア」です。

 

お金がなかったとしても、皆で支え合って生きていく社会

石山さん:実家がシェアハウスを経営していて、私自身、今もシェアハウスで生活しています。12歳で両親が離婚したのですが、それでもまったく寂しさを感じませんでした。常に周りに人がいて、繋がりが強い幼少期を過ごせたのがその理由だと思います。

組織にぶら下がらなくとも、個人がそれぞれ自由な意志で生き方を選択し、人生をデザインする価値観が主流になっていく。「シェア」はそのキーワードになると思ってこの世界に入りました。

シェアというものを紐解いていくと、たとえば江戸時代。長屋では、当たり前のようにお隣さん同士で醤油の貸し借りなどをしていました。元々、東洋思想には「1人」「個人」という価値観はなく、全体の中の一部であるという考え方が強かったんです。

お金を介さなくても、皆で支え合って生きていく文化が成立していた。
主語が「私」ではなく「私たち」という生き方が、元々日本には根付いていた背景があります。

 

企業のサービスを消費する時代から、個人の集合知の時代へ

石山さん:現在、すでに様々なシェアリングサービスが存在しています。

airbnbなどの民泊ホームシェア。
TABICAなどのローカルな個人ガイドツアー企画。
ADDressなどの月額4万円で全国住み放題のサービス。
Anycaなどの自家用車のシェアなど。

例えば、主婦の方が趣味の料理を提供(シェア)することによって、だんだんとそれが話題になり、出版の話が来たりしたケースもあります。
それがゆくゆくは本業になり、まさに「シェア」という概念が誰かの生きがいになることがある。

皆さんも、どこか美味しいお店に食べに行きたいと思った時は、企業からの情報よりも「食べログ」などを見て話題のお店を探したりしますよね。
まさに知識と経験のシェアが日常的に行われています。企業のサービスを消費する時代から、個人間のやり取りが主流になってきているんです。

 

貨幣価値に支配される価値観は薄れていく

石山さん:これまでは、資源が無限にあると思われていた時代でした。加えて物も少ないために、次から次へと商品が生産され、それを手に入れることが幸せのロールモデルになっていた。
その半面、今は誰もが「資源は有限である」と気付きはじめています。物が溢れていて、これまでの大量生産・大量消費が難しくなってきています。

一人でも生きられる時代。物に不自由しない今、どんどん繋がりが希薄化していると思います

交換価値として考えられているお金についても、今は皆、すべて「お金」を軸に考えるようになっていますよね。目に見える分かりやすいものだけが価値として捉えられてしまっている。

貨幣価値に支配される価値観は、今後どんどん薄れていきます。

豊かさのパラダイムシフトが起こり、これまでは「所有すること」が幸せに直球していましたが、これからは目に見えにくい精神的なものが価値となっていく

個人主義から、「私たち」へ。
シェアすることで、誰でも繋がりをつくることができるんです。

 

シェアライフは、ギブアンドテイクではない

石山さん:自分と他人の境界線って、どこにあると思いますか?

どこまでが自分ごとで、どこまでが他人の領域なのか。それは人によってレベルが違ってくることですよね。たとえば、電車の中で赤ちゃんが泣いていたら、自分ごと化できる人と、「うるさいなあ」と思うだけの人。
その境界線自体を捉え直していくべきだと思っています。

心を閉じずに、開き続けること。
そうすると、結果的に信頼は与えれば与えるほど返ってきます。

シェアライフは、ギブアンドテイクではありません。この考え方は最も資本主義的。何かをあげたら同じ分の対価を期待するのではなく、「与えたらいつか返ってくるよね」という気持ちでいることがシェアライフです。

そうすることで循環が生まれ、社会もより良くなっていきます。

 

性善説で居続けるためには?

ーーシェアライフの前提として、「性善説」があるのかな、と思いました。
お互い様という生き方は、誰か1人がズルをしたら崩れてしまうものですよね。その中で、常に性善説に立って共同体を守っていくためには、どうすればいいんでしょうか?

石山さん:たとえば3.11の時。
海外の人からすると、「どうしてこんなに暴動が起こらないのか?」「万引きやぼったくりが発生しないのか?」と驚かれた背景がありました。

これはまさに、日本という国が「お互いの信頼度が高い」国だからこそ、治安が良いと言われる由縁だと思います。

この性善説によって、人と人がどれだけ信頼の集合知を高められるか、それによってどれだけ社会をより良くすることができるか、というのがシェアの考え方です。

 

人は、もっと自由になれる

ーー石山さんが現在シェアハウスに住まれているのも、所属先を1つに依存したくないという思いからなんでしょうか?

石山さん:そうですね。住む場所や職場もどんどんシェアに置き換えていくことで、結果的に心理的な安全が得られます。
職場も1つ、収入口も1つ、住む場所も1つ……と限定されてしまうと、例えば「何か新しいことをはじめたい!」と思っても、それが心理的な制約になってしまったりしますよね

人が不幸になる原因の1つに、この「限定」があると思っていて。職場や住む場所をシェアすることで所属先を分散させれば、結果的に複数の居場所ができていく。これが、個人が幸せで豊かに生きていくための、確かな資産になっていくのだと思います。

 

シェアはハードルが高い?

ーー普段、家でやっていた家事や料理が、シェアすることで感謝されて結果的に自分の生きがいになっていく、というのは素晴らしいことですよね。
こういったシェアライフを個人が進めていくためには、やっぱり最初は何かしらのプラットフォームを利用するのが最適なんでしょうか?

石山さん:プラットフォームの良さは、まさにそこにあると思っています。
これまでの消費をシェアに変えていくことで、人との繋がりが芽生える。これまでは旅行をするにもホテルを宿泊先にしていたけれど、airbnbなどの民泊サービスに変えてみるだけで現地の人と友達になることができますよね。

プラットフォームを利用することで、誰でも人とつながることが出来るようになると思います。

ーーアンジュさん自身が、自分と他人との境界線を拡張していくことに、それほどまでに前向きになれる理由ってどんなところにあるんでしょうか?

石山さん:他人に開いていくことで、それ以上の幸福感が得られるんです。
シェアライフを実践していく中で、接する人から大きな幸福感や価値が返ってくるという部分が、やはり大きいと思います。

私、高校生の頃に「世界平和を実現する!」って思ったんですよ。

世界平和を勉強するために大学に入ったんですが、国際政治や紛争に関しての学びを通じて、世界に存在する全ての人を平和にすることは不可能だということに、残念ながら気づいてしまったんですよね。

世界平和に少しでも近づくためには、やっぱり個人間で境界や感情を繋ぎ合わせていくこと

シェアすることで自分と他人との境界線をできるだけ広げていくことができたら、より良い社会になっていくと思います。

ーー改めてこの「シェアライフ」を読んで、自分と他人との関係性を見直したいと強く思いました。石山さん、本日は朝早くから、ありがとうございました!

 

 

1人でいるのが楽。
他人と関わり合うのは面倒。

個人主義が広まった昨今、どうしてもそう思ってしまうのが、我々人間なのかもしれません。

ただ、例えばシェアハウスで暮らしてみて、これまでの生い立ちや価値観が違う人たちと生活を共にすること。旅行の際に民泊サービスやゲストハウスを利用してみること。
意識的にシェアライフの一歩を踏み出してみることで、少しずつでも私たちの気持ちは変わっていくのかもしれない。そう思いました。

石山さん、新たな気付きを、ありがとうございました!

 

Text by 北村有(@yuu_uu_
Photo by 北澤太一(@taity_k

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