「資本主義をゲームのようにとらえ、そのルールをハックすれば理想のライフスタイルが手に入るーー。」

そう語るのは、金融経済メディア「ZUU online」など、資産運用の総合プラットフォームを運営する株式会社ZUU代表取締役・冨田和成さんです。

お金についての知識をハックし、人生を加速させたい方、ぜひご覧ください。

〈文=とにー(@tony1021_)、写真=矢野拓実(@takumiYANO_)〉

冨田和成(とみた・かずまさ)】株式会社ZUU代表取締役。神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォーム運営、月間訪問者数は650万人を超える。金融機関や不動産業界のフィンテック化の推進支援や企業に対して鬼速PDCAシステムを導入する鬼速PDCAエンジニアリング事業を展開。監査法人トーマツ主催「日本テクノロジー Fast50」にて2年連続上位受賞(2016年度日本1位・アジア太平洋地域8位、2017年度日本3位)。2018年6月、設立約5年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。著書に『大富豪が実践しているお金の哲学』『鬼速PDCA』『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』(クロスメディア・パブリッシング)、『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』(ダイヤモンド社)、最新刊『資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点』(SBクリエイティブ)等。

資本主義を形成する4つの”資本”とは?

冨田さん:
よく資本主義経済などと言いますが、「資本」と一言で言っても下記の4つに分けられます。

人的資本:個人の知識・スキル、信用力・ブランド、人脈・ネットワークなど。

金融資本:金融商品など

固定資本:車、家など所有しているもの。

事業資本:自分で会社を作ること。事業の種・アイデア。

資本主義は批判されやすいですが、その際の批判対象は2つ目の金融資本であることが多いです。

現在は企業の時代から個の時代となり、僕ら個人が4つの資本を自由に扱えるようになりました。その4つを成長性、利回り、アービトラージ(他人との気づきの差)、流動性(換金のしやすさ)で表にすると下記のように表せます。

出展:『資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点』

固定資本もフル活用せよ!シェアリングエコノミー時代の固定資本の使い方

冨田さん:
個人にとってお金を管理するフレームはPL(損益計算機)とBS(貸借対照表)の2つがあります。BSに注目すると、家にあって売却できるものは全て資本です。クレジットカード・奨学金などは負債と呼ばれます。

近年では、先述した4つの資本の中でも金融資本と固定資本の小口化と利回り商品化が進み、扱い方が大きく変容しています。

1 固定資本=自宅、土地、車、家、時計など、換金するとお金になるもの。

2 金融資本=現金、有価証券、保険など。

まず、不動産クラウドファンディングにより、少額での不動産投資が可能となりました。駐車場を一時利用できるサービスAkippaや民泊サービスのAirbnbがいい例です。週末だけ貸す、一部屋だけ貸すなど、自分の固定資本を小さく切って貸せるようになったんです。

今までは投資信託や株の金融資本を中心に利回りを生んでいましたが、今は車や家具など自分が所有しているもの、つまり固定資産も利回り化できるようになったのです。シェアリングエコノミーとも呼ばれていますよね。

自分のスキルを手段として事業を作れ!事業資本の変化とは?

冨田さん:
ここで、抑えておいていただきたい方程式があります。

リターン=資本の大きさ×利回り×時間

この掛け算で価値が生まれます。もっと自分の資本を投資することで、利回りがよくなるのです。累進課税制度がいい例なのですが、日本では人的資本に対する利回りが悪いです。

所得税・住民税の最高税率は55%なのに対し、法人税の税率は約30%、金融所得の税率は20%です。人的資本の収入が1000万円と600万円の世帯で比較してみましょう。

冨田さん:
年収の額面では1000万と600万で400万円の差があるにも関わらず、手取り年収は745万円と491万円と、約250万円の差しか生まれないのです。

つまり、累進課税制度により、同じ1000万を人的資本で稼ぐよりも金融資本で稼いだ方が利回りがいいんですね。この累進課税制度の差がまさにアービトラージです。

また、リターンの大きさを考慮すると、事業資本に行き着きます。

自分自身の機能スキルに頼った仕事はレバレッジがかかりにくいので、フリーランスはいいが、事業資本には向いていません。機能スキルや人的資本は重要ですが、どうしても社長のスキルの天井が見えてしまいます。自分の機能性はあくまで手段です。その機能性を持って事業を作っていくことが重要です。

事業は意外と簡単に考えられるんですね。「事業」と聞くと完全に0から1を立ち上げるイメージですが、「クックパッドのサービスが飲食店向けだったら?」など、ビジネスモデルを因数分解し他の分野に転用するだけでも考えられるんです。

トヨタやソフトバンクなどの他社株は自分が助言したところで株価への影響は少ないですが、自社株の場合、自分の努力は株価に大きく反映されるんです。

アービトラージでハックせよ

冨田さん:
アービトラージとは、金融用語で、割高の会社の株を売り割安の会社の株を買うことを指します。つまり、差分を生み出すことです。

鬼速PDCA』の反響が大きかった理由は、日々の積み重ねが結果として大きな差分になっていくためです。PDCAの積み重ねの中で大きなブレイクスルーを生み出したとき、ゲームのPDCAで愚直に上がっていきつつ、ボーナスステージにも行けるようになるんです。

中村:
実際の生活で、差分はどう見つけていったらいいのでしょうか?

冨田さん:
自分が全てやっている仕事を因数分解していってですね。

例えば、僕は新卒で野村証券の新規開拓営業をしていました。新規開拓営業を因数分解すると、顧客接点を持つ→見込み顧客となる→開拓する→受注し顧客となる、というフローに分かれます。

約1万件の杉並区のお客さんを回り、データを取ったんです。そこでわかったのは、他の証券会社が営業している地域の方が受注率がいいことです。

「顧客接点を持つ」フローと「見込み顧客となる」フローの間には「資産運用への関心を持つ」ステップが必要です。この「資産運用への関心を持つ」ことへのハードルが高かったんですね。

しかし、他社で証券運用をしているお客様はすでにそのハードルを超えているので、開拓、受注までがしやすいんです。

一見、競合が開拓している地域は受注率が低そうですが、因数分解すると、こうして差分を見つけやすいんです。

これからの個と会社

中村:
会社員だと会社は稼ぎ口でもあり、自身のアイデンティティにもなっている場合もありますが、冨田さんは会社に対する所属をどう捉えているでしょうのか?

冨田さん:
これからは、個人が会社を持ち業務を発注する形になっていくと予測しています。チームのマネージャーが独立し小さな会社を持つイメージです。

その方が1対1のフェアな関係になり、対価を払いやすいんです。サラリーマンに年収1000万円相当の業務内容を測るよりも、特定の業務内容に対して決まった対価を支払う方がやりやすいですよね?

そのため、大企業が小さな企業たちに仕事を外注していく流れになり、大きな会社と小さな会社の集合体になっていくのではないでしょうか。

夢は話せば話すほど、共鳴し合う

中村:
冨田さんにとって、資本主義経済で生きる楽しさとはどのようなものでしょうか?

冨田さん:
どんな夢や目標も実現できるようになっていることですね。

僕はずっとサッカー少年だったのですが、大学時代に怪我をし心にぽかーんと穴が空いた1年間がありました。そのときに「南極の氷が溶けるほど世界を熱くしたい」って友人に言っていたんですよね。それを実現させようとしていますし、僕の夢もアップデートされ続けています。

夢は話せば話すほど、共鳴し合い大きくなっていきます。「言葉が人をつくる」とも言いますが、自分が発信し続けることで他人もどんどん自分を刺激していき、結果的にブーメランとして自分へ帰ってきます。

これまでお話ししてきたように、資本は小口化され起業コストも低くなってきています。5年前はクラウドファンディングもコワーキングオフィスもこんなに存在しませんでした。

誰もがすぐに資本を集められるようになり、世界中の人たちが夢や目標を実現できるようになっています。思い込みから夢や目標を否定したり、選択肢から外してしまうこと自体がもったいないです。

一人一人が勇者で、人生を加速するためにハックがある。資本主義をハックできると、10年後にやりたいことが5年後になったり、選択肢の外にあったものが実現可能な夢として浮上したりします。

選択肢の幅をいくらでも広げられ、どんな夢でも叶えられる世の中になっているんです。自分がワクワクする、没頭できて楽しいことをぜひ見つけていってください。

中村:
何かに没頭していたとき、振り返ると幸せだったけれど、やっている最中は大変なことが多くないでしょうか?。365日24時間没頭するためのコツなどはありますか?

冨田さん:
僕は仕事が楽しくて楽しくて365日朝から晩まで仕事のことを考えています。

没頭し続けるためのコツは、自分自身が描いている場所から定期的に自分をふり返ることですね。月1で自分合宿を行い、定期的に自分の立ち位置を振り返る機会をつくっています。

人間、どうしてもエンジンは失われるものです。「自分の現在地はわかっているけれど、描いている場所からの位置を埋める方向性が合っているのかわからない」などをふり返ります。すると、夢から今の差分が明確になり、強い自分と毎日走り続けることができます。

まず始めることでラーニングコストが下がる!

中村:
最後に、今日から行動できることを教えてください。

冨田さん:
全体の構造を把握してから始めようとすると、一つ一つの資本がそれなりにラーニングコストがかかる分野ですので、多くの時間がかかります。いつか株をやろうと思っていても、なかなか始められない。でも、ミニ株であれば1万円から始められます。

まさに今小口化されつつある資本をハックし、何かを始めてみてください。

始めてみると気になりはじめ、わかってきます。僕自身も、ソフトバンクの株を買ったところから始まりました。買ってみると、世の人がソフトバンクを使っているのかどうか気になり始めたんですね。

株式投資も、クラウドファンディングも、クラウドソーシングも、調べてからやるよりまず小さく始めてみてください。まず始めることによってその分野について勉強するコストが下がります。

ぜひ今日から、何かに申し込んでみる、会員登録してみる、株を始めてみるなど、何かをスタートしてみてください。

〈文=とにー(@tony1021_)、写真=矢野拓実(@takumiYANO_)〉

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