VoicyやTwitterなどで各種SNSで多大な人気を誇る尾石晴(ワーママはる)さんが、初の書籍『やめる時間術』を携えて、朝渋イベントに初登場!
外資系企業での長時間労働とワンオペ育児を両立させながら、やりたいことを実現させていくなかで編み出した「やめる時間術」を教えていただきました。
イベント前半の基調講演の内容は、別記事「「時間がない」は卒業できる! #やめる時間術 著者が語る、引き算と足し算でやりたいことの尻尾を掴む方法」でご紹介しました。
この記事では、イベント後半に行われた、朝渋代表の5時こーじとワーママはるさんとのトークセッションをお届けします。
【尾石晴(ワーママはる)さん】
外資系メーカーに16年間勤務。2児の母。子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出し、ワンオペ育児の合間に、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター・ライフオーガナイザーなど会社員以外での収入経路を複数確保する。現在は独立し、音声メディア「voicy」でトップパーソナリティとして活躍するほか、雑誌『レタスクラブ』での文筆活動や、ヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」で代表を務める
「40歳定年説」に向けて「サバティカルタイム」を取る
5時こーじ
はるさんは今、会社をやめて「サバティカルタイム」を取っているとのことですが、この「サバティカルタイム」というのはどんな期間を指すんですか?
はるさん
サバティカルタイムは使徒用途を決めない時間のことです。これを自主的に取るには3つの条件が必要だと思っています。
ひとつは人として生きてるだけでかかるコスト、「最低生存月額」が確保できていること、次に思考力、そして体力です。60歳になってからでは遅いので、今取る必要があると思っています。
私は20代を会社員として過ごしました。会社、というのは自分がいる世界とは違う年代や性差の人と出会える「社会人学校」みたいなところですよね。そうした時間を経て、これからの30〜40歳でやりたいことを見つめ直すために、試行錯誤する時間がほしかったんです。
時間の足し算のおかげでチャレンジしたいことが見えてきていたので、「じゃあ今やるか!」と退職届を出しましたね。
5時こーじ
サバティカルタイムのくだりで、はるさんが「40歳定年説」を唱えていて、これもすごく面白いなと思いました。
はるさん
これはちきりんさんが唱えられていたんですけど、要は人生をふたつに分けて考えているんですよ。
前半戦では社会人的な経験を積み、そして後半戦では定年のない仕事をするために、もうひとつの職業人生を生きるチャレンジをするという考え方。
23歳で大学を出て、20年働いてもまだ43歳。そこから60歳で定年を迎えないような職業人生をデザインするように仕事に取り組んでいく。そういう人生もいいなと思って、今チャレンジしております。
5時こーじ
どこにどんな矢を刺していこうか、というのが前半戦だったわけですね。
はるさん
20代のころは、いわゆる量稽古の時代だったなと思っています。何も考えずにやれって言われたことをやり、量を積んで質に転換させていく。20代の頃は本当に仕事しかしてないんですよね(笑)。会社の近くに住んで、朝起きてから終電後までずっと仕事をしたり、出張で1年間いろんなところに飛び回っていたり。
30代を迎えたときは、「これだけ仕事に打ち込めた経験があって、よかったな」と思いました。
5時こーじ
僕は26歳で独立しているので、会社で量をやりきったところを経験してなかったりもします。
はるさん
またやりたいと思ったら戻れますから。私も今はこうしてサバティカルタイムを過ごしてはいますが、やっぱり組織のほうが面白い、と思ったらまた会社員に戻る可能性もあります。
やはり人生は一度きりなので、行ってみたいけどちょっと怖い、と思ってためらってしまうのではなく、行くために何が必要なのか、できることは何なのか、やりたいことは何なのかを、足し算をずっとして前に進んでいきたいですよね。
そのあたりの引き算・足し算を試行錯誤していくと、うまく条件が揃ってきて、やりたいことができるようになったりすると思います。
「思い」だけでは習慣化しないし行動しない。現状とのギャップを、いかに分解するかが大事だと思っていますね。
5時こーじ
理想と現実の差をどう埋めていくのか、どう行動に落としていくのかという点で、「分解」がカギなわけですね!
事実と感情を分ける「分解思考」で行動につなげる
5時こーじ
はるさんの「分解思考」について詳しく聞きたいのです。物事を分解して考える意義や大切さについて、どう考えていますか?
はるさん
私はもともと大学で心理学を専攻していたのですが、そのなかでカウンセリングに来られる方は、自分の感情と事実をごちゃっと混ぜて考えることが多かった。
そこで私は、「事実と感情を分ける考え方」を学んでいきました。
この思考は全ての物事に通ずると思っています。仕事でも「よくわからないけど負担に思っていること」や「どこから手をつけていいのかわかないこと」も、分解すれば筋道が見えてくる。
この癖がついたおかげで、私は物事を客観的に見れるようになってきたし、行動につながってきたなと思っています。
5時こーじ
分解していくと、自分でコントロールできるのかどうかもすぐにわかりますよね。
はるさん
コントロールできないことにずっと囚われていてもしょうがないんですよね。わかっていても囚われてしまうけど(笑)。
過去と他人はコントロールできないんですよ。コントロールできるのは、自分と未来だけ。
悩んでいることをバラバラに解いてみたときに、自分がコントロールできるものは意欲的に取り組めばいいし、コントロールできないものは、ストレスになるなら離れたほうがいい。悩みのタネがコントロールできないものなら、そのまま考えないようにして置いたままにしておくのもひとつの手だと思います。
5時こーじ
なるほど。解決できる悩みとそうではないこと、分解することでモヤモヤ思考がなくなるんですね。
知識を使って追体験する読書方法
5時こーじ
お話を聞いていると、はるさんは時間や行動に対して、自分自身を使っていろんな実験をしている感覚があるんですけど、これはどういうマインドから来ているんですか?
はるさん
私の好きな言葉に「試行錯誤」というのがあります。知識は使ってみないと追体験として身につかないんですよ。
なので、リスクをどのくらい取れるのかを考えながらも、とりあえずやってみる。そうすると、引き出しに試行錯誤経験が貯まっていき、それがストック型の資産になると思っているから、やりたくなるんだと思います。
5時こーじ
積み上げられていくという感覚があるんですね。はるさんの読書量は年間200-300冊と言ってましたが、どう情報をストックしているのかも気になります。
はるさん
iPhoneのメモ帳に全部音声でメモを取る癖があって、何でもかんでもメモるんですよね。
私は読書しても読書録は取りません。着想的に面白いなと思ったことや、これに転化できるよね、といったことしかメモしないのでいっぱい読めるんです(笑)。
そういったメモをVoicyやTwitter、ヨガなどの用途別のフォルダに放り込んでおいて、あとでネタとして使います。そうしていくと実体験に繋がるので、知識が身に付きますよね。
5時こーじ
僕も本はたくさん読むんですけど、「何だっけな〜」と結構思い出せないものがあったりします。
はるさん
人間の記憶には限界があるので、「何だっけな〜」なことは覚えなくて良いんですよ。必要なことしか覚えないようになっているんです。
ただ、潜在意識下には沈んでるので、またいつか読んだとき、自分のアンテナが立っていれば刺さると思っています。なので覚えていないことにストレスを感じていないですね。
5時こーじ
メモ帳にもう一つの脳を持つという考え方はめちゃくちゃおもしろい…!! 僕も早速、第二の脳を作っていこうと思います。
努力の方向性を決めるために「出口」を決める
5時こーじ
時間を足し算引き算をする中で、やりたいことが見えてきたとき。どこでどうアクセルを踏んでいくかの努力の方向性は、どうやって決めていますか?
はるさん
私は基本的に楽しそうなことからやります(笑)。それから、引き際はこのぐらいだな、という出口をあらかじめ決めてしまうんです。
たとえば、YouTubeは収益化するまでは頑張ることにしました。使える時間は1日30分で、まずは3ヶ月やろうと決めました。その代わり、そのリソースを使って自分が決めたゴールに到達しない、かつ自分が楽しくなかったらやめようと思っていました。
5時こーじ
なるほど。「楽しい」という出発点と一緒に、「出口」を決めると、引き際が明確になるんですね。
はるさん
出口を決めてやり続けていくと、いろんな壁にちょっとずつ当たるなかで方向性が見えてくるんですよね。YouTubeは一応目標達成はしたんですが、自分がやっていて楽しくないのでやめました(笑)。
最初に「出口」を決めておいたから、それが自分の努力の方向性を修正できんたのだと思います。
5時こーじ
やらない後悔を作らないために、とりあえずやってみると。
はるさん
そうですね。Voicyを始めたときも、やったことがないので楽しいかどうかわからなかったけど、とりあえず3ヶ月ぐらいやってみました。そしておもしろいなぁと思い始めたら、自分が予想していたゴールよりも、ずっと多く反応をもらえていました。
市場にもニーズがあるし、努力の方向性としても合っていると気付いたので、Voicyは今も継続してます。
5時こーじ
やってみて努力の方向性が違うと分かったら撤退したら良いのですね。出口戦略、改めて考えてみようと思います。
モチベーションは存在しない。やりたいことを習慣化するには?
5時こーじ
はるさんが注目される1つに「継続力」というキーワードがあると思います。僕の考えでは、継続=ストレスなくやれることで、人の役に立てることだと考えているのですが、はるさんにとってはどうですか?
はるさん
やっぱり自分の強みや得意なことは自分ではわからないので、市場判断ですよね。やっていて楽しいし、継続も負担ではない。市場に出してみたら思ったより評価が上じゃない? って思ったらそれはスウィートスポットだと思います!
好きだけど全く市場ニーズがないものは趣味でも良いと思うし、収入を得たいと思うなら、やはりやるべきなのかを見直さなきゃいけない。自分が求める出口設計を、どこに設けるかだと思うんですよね
5時こーじ
とりあえず1年やるって決めたから、と低速飛行になるのは避けたいですよね。
はるさん
本当に好きなら市場に受けなくても勝手にやると思うんですよね。でも、このままでいいのかな?と思うってことは好きじゃないんです。市場の評価が欲しいからやってるんですよ。それもまた気づきで、素晴らしいですけど。行動せず、気付かないまま死んじゃう人もたくさんいますからね。
5時こーじ
YouTubeのチャレンジにせよ、まずは習慣化して期限を決めてやるのが大事だと思うんですけど、習慣化するために心掛けていることはありますか?
はるさん
タイムスケジュールを組むのはすごく大事ですね。
30分取ると決めたなら、その30分を手帳に書いて、アラームを設定する! そもそも手帳が続かない人も多いですけど、それは手帳を書く時間を手帳に書いてないから続かないんですよ。スケジュールしないと続かないんです、人間は。
5時こーじ
人が挫折してしまう原因はモチベーションが湧かないというのもあると思うんですけど、はるさんはモチベーションについてどう考えていますか?
はるさん
私はモチベーションは存在しないと思ってます。
自分が意欲的に思うものって、勝手にモチベーションが出てくる「内発的動機」なんです。子どもって遊ぶなって言われても勝手に遊んでますよね。それと一緒です。
私たちはモチベーションを持って何かを習慣化しないと続かないと思っているけど、本当に好きなら誰に止められてもやるんです。続かないってことは好きなことじゃない。
ただ、やりたいことのための資格勉強とか、やらなければ達成しない項目に対しては、スケジュールを組んだり、人とやったり、強制的に自分がやらざるをえないような仕組みを整えるしかないと思っています。
5時こーじ
自分時間のなかで、モチベーションに左右されることに縛られちゃうとしんどさが出てきちゃいますよね。
はるさん
自分がやりたいことがやれている人って、努力が娯楽化してやってると思うんですよね。
努力が娯楽化している人から見たら、モチベーションも何もない(笑)。足し算していくと、どこかで尻尾を見つけられると思うので、手繰り寄せて欲しいなと思います。
5時こーじ
モチベーションは無い…!! これは皆に刺さる名言ですね。誰に止めてもやることだけをやり続けること。僕にとっての早寝早起きも、その一つだったのかもしれません。
やりたいことをやる時間を確保する
分解思考でコントロールできることを明らかにして、出口戦略を持ちながら、やりたいことのアクセルを踏む…。ワーママはるさんが超多忙の中いかにして、選択と集中をしているのか。そのヒントに触れられた濃密なトークセッションでした。
習慣化に関しては「タイムスケジュールを組む」ことの大切さを説いてくれたワーママはるさん。やりたいことをやるための時間を確保するのに、早起きはぴったりです。
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