「時間がない」
「つねに何かに追われている気がする」
「時間を思い通りにうまく使えない」
こんなふうに悩んだことはありませんか?
それは、1日24時間という誰しもに平等に与えられた資源を、自分軸で使えていないからかもしれません。
時間を支配するには、3つのポイントがある、と語るのは、VoicyやTwitterなどで各種SNSで多大な人気を誇る尾石晴(ワーママはる)さん。
そんなはるさんが、朝渋イベントに初登場! 外資系企業での長時間労働とワンオペ育児を両立させながら、やりたいことを実現させていくなかで編み出した「やめる時間術」を教えていただきました。
時間がなくて毎日を焦って過ごしているみなさん、必見です!
【尾石晴(ワーママはる)さん】
外資系メーカーに16年間勤務。2児の母。子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出し、ワンオペ育児の合間に、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター・ライフオーガナイザーなど会社員以外での収入経路を複数確保する。現在は独立し、音声メディア「voicy」でトップパーソナリティとして活躍するほか、雑誌『レタスクラブ』での文筆活動や、ヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」で代表を務める
「24時間を自由に使えない人」のための『やめる時間術』
この本は、「24時間を自由に使えない人のために書こう」と思って書きました。
世の中にはいろんな時間術があります。私も「時間がほしい、時間の使い方がうまくなりたい」とさまざまな本を参考にしてきました。
その結果、多くの本は本業が文筆業だったり、家庭を持っていなかったり、もしくは家事育児はパートナーや外注が担っていたりと、「自由に時間を使える人」が書いていることがわかりました。
要するに、「24時間を自由に使えない」という立場から書かれている本はないんです。
実は私は、独身時代だけでなく結婚してからも、時間を自由に使えていました。なぜかというと、お互いのキャリアを尊重するために別居婚をしていたり、1年のうちほぼ出張で飛び回るような生活を送っていたからです。
しかし子どもが生まれてリソースがどんどん取られていくようになるにつれ、自分のやりたいことが満たせなくなり、つねに「時間がない」と焦ってしまう時代に突入しました。
「自分に能力がないから全てをこなすことができない」、もしくは「夫が協力的でないから時間がないのだ」と原因を考えて不機嫌になってしまい、鬱々としていました。
そんなときに、『モモ』という本を今一度手に取る機会がありました。
そこにはこんな一言があったんです。
「時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです」
つまり、私は時間のないことを人のせいや、自分の能力がないせいにして自己嫌悪に陥って生きていましたが、それはつまり自分の心を自分で殺して生きていることなんじゃないかと気付いたんですね。
そこからは、7年かけていろんな時間を整理して、自分なりの時間術を掴んできました。
時間の使い方は、積み重ねていくと生き方に繋がります。この本は、時間を自由に使えなくても、いかに主体的に生きるかを主軸において書きました。
今回はそんな「実務で困って悩んできた人」である私が掴んだ、時間術のポイントをご紹介させていただきます。
1.時間がない!思考から抜け出す
私は子どもが生まれてからは、「時間がない思考」をつねに持ち、他人のせいにしたりしながら生きていたのですが、ふと気付きました。
「”時間がない”っていうけど、何にどのくらい時間がないのかよくわかっていないんじゃないか」と。
たとえば、10,000円を持っていて、次の日に財布を開いたら1,000円しか残っていなかったとしたら、9,000円を何に使ったのか、記憶を辿っていきますよね。でも、私は時間においてはこの概念が抜けていたなと思います。
要は、「時間の財布」がないんです。
この「財布」という考え方を持つことによって、「時間がない思考」がクリアになっていきます。
家計簿をつけるのと一緒で、時間を何にどのくらい使ってるのかを「時間の財布」を持つことで気付くことがことができるんです。
この気づきから、「時間の見える化」をはじめました。
2.時間の「見える化」
私たちの24時間は、主に3つの時間で構成されています。
1.生活に使う時間(生きるために必要な時間)
2.ルーチン時間(仕事を含む毎日繰り返される必要な時間)
3.自分の時間(自由に選択できる時間、可処分時間)
そのなかで、私たちが「時間がない」と感じているのは、24時間すべての時間が減っているからなのではなく、要は3の自由に選択できる「自分の時間」がないからなのではないか、と気付きました。
そこから、24時間、何にどのくらい使ってるのか正確に「タイムログ」をつけはじめ、時間をどんどん見える化していきました。
「時間の見える化」する3つの方法は下記です。
1.24時間タイムログをつける
2.ふせんで細分化する
3.使った時間の成績付け(自己満足度)
最近はアプリでもタイムログが取れるので、アプリを使うのもいいかと思います。
そして、大切なのはログを取っておわるのではなく、現状の立ち位置を把握するために、使った時間の仕分けをすることです。
仕分けの基準のひとつに「衝動と行動」があります。
たとえば、「この本を読んだほうがいいよ!」と勧められて読み、それで2時間を使ってしまうと本当にやりたかったことに時間を使えなくなる可能性がありますよね。
衝動的に「いい!」と思ったことになんでも飛びつきやすい人は、時間の財布からどんどん時間が減っていく傾向があります。
一方で、人生の目標や自分にとって重要なことをわかっている人は、良さそうなものすべてには手を出しません。
私はタイムログを使って時間に成績をつけるとき、「衝動」なのか「行動」なのかを考えながらつけています。
3. 時間の「引き算」
見える化をして現状「時間の財布」にいくら入ってるのか目処がついたらまずやらなきゃいけないのは、「引き算」です。
ここでは、自分の人生で優先度が低いものを減らしていきます。やったらいいことはこの世に山ほどあるけど、それを「今私がやらなきゃいけないのか?」を見極めていく力になります。
この引き算というのは痛みを伴います。自分が今まで使っていた時間を否定し、選び直していく作業なので、自己嫌悪に陥ります。
しかし、この引き算をやらないと、自分の価値観を炙り出せず、やりたいことも見えず、時間はうまく使えません。
まずは、「投資」「消費」「浪費」の項目で時間を分けたり、時給換算でいろんな物事を見てみたりすること。時給換算は、たとえば習い事をやるにしても、1時間あたり自分の時給でどのくらいのコストを使って習得したいのかを考えます。長い人生で見た時に必要なのか、と考えることで、目線まで高く持つことができるのでオススメです。
それから、「その結果は、自分がコントロールできるものなのか」を分解していきます。
私たちは、どうにもできないことや、過去のことでくよくよ悩み、自分でコントロールできないものに時間を使ってしまいがちです。
それをいつまでも嘆いていては、心や思考はマイナスに囚われていきます。結果をコントロールできるかできないのか、自分を主語にして考えていくことが大切です。
引き算が苦手な人は「マイものさし」という自分の軸を作るやり方も書籍で紹介しています!
4.時間の「足し算」
最後に、引き算して生まれた時間を、どう自分の人生において満足のいく時間にしていくのかを、足し算として付け加えます。
足し算は、「理想の1日を過ごすために必要な点を打つ時間」と考えてみてください。やり方はこちらです。
1.「理想の24時間の過ごし方」を書き出す
2.現実とのギャップを書き込む
3.そのギャップを埋めるために必要なものを書き出す
まず、理想の24時間の過ごし方を書き出します。すると現実とは大きく違う差が見えてくるはずです。
このギャップを埋めるためにする行動が、私たちの人生の満足度をあげる足し算になります。
少しずつ少しずつ埋めていけば、自分にはいま何が足りないのか、何をやるべきか、何を試行錯誤する必要があるのかがはっきりと見えてきます。
私は7年前に毎日1時間半の引き算に成功して、その時間を足し算に変換することができました。
ヨガの資格を取ったり、資産運用に使ったり、不動産賃貸の勉強をしたり、毎日1時間半しかないけれど、少しずつ埋めた結果、7年かけて当時描いた理想の時間に近づいた時間を今過ごしています。
足し算の時間が点となって行動につながり、最終的に線になった。
引き算をしたら足し算をして自分の生き方を見直す機会を設けてくれたらな、と思います。
「やめる時間術」のまとめ
1.時間の財布を持つ→時間を何に使っているか_
2.時間の見える化をする→現状把握
3.引き算と足し算→自分軸、人生のコントロール権
自分の使っていた時間(見える化)ー自分の価値の低い時間(引き算)=本当に使いたい時間(足し算)
24時間を自由に使えない人でも、時間の使い方で自分の人生の方向性を必ず決めることができます。
自分の時間の使い方は、自分でコントロールできる。
そのためにやることは、時間の財布を持ったうえで、見える化をして、引いて、あとは足していくだけ。すごく簡単なようですが、多くのひとがなかなか手がつけられていないことでもあります。
けれど、これらのタイムマネジメントをすることで、あと何十年とある人生の指針となる、自分軸という「マイものさし」が手に入ります。
ぜひ、時間のコントロール権を得て、人生のコントロール権を得ていってほしいな、と思います。
時間=生きることそのもの
最後に、はるさんが教えてくれた金言をもう一度。
「時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです」
「時間の使い方を見直したい」という方は、ぜひ『やめる時間術』を手に取ってみてくださいね。
そしてもちろん、早起きも自分の時間の使い方を見直す絶好の手段。「早起き」からそのきっかけをつかみたいという方は、朝渋コミュニティでお待ちしています!
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